食いもの日記

2001年8月9日

魯山人本に書かれていた配合バランス(卵一個につきダシ2合から2合半)で 茶碗蒸しを作ってみた。ダシの元は研究室旅行でもらった子アジ。 作ってみた結果、やわらかくツルリとしつつもダシ汁が染み出してくる程度の堅さに なり、確かにいい感じである。 しかし二つほど失敗があった。第一にアジがすでに塩をふられていたことに気づかず 後から調整することもできないほどしょっぱくなってしまったということ。 第二に加熱時間が長すぎて空洞がボコボコ空いてしまったこと。 強いて言えば第三にアジのダシではあまりに下品すぎるということが あるが、これはこの際失敗とは言うまい。おそらく昆布を主体として 椎茸を加えたダシにわずかながら 醤油で塩味と香りをつけるのがいいのではなかろうか。 カツオなどの魚のダシは強すぎる気がする。 簡単な料理なので完全にマスターしたい。ダシを取った椎茸を入れれば 食感も良くなる。加熱を固まるギリギリまで短くすればそれだけ栄養も残るし 味も豊かになる。できるだけ容器は小さくして 体積あたりの表面積を大きくする必要があろう。

研究室旅行でもらった鯛。もはや刺身にすることもかなわず、 かといって焼く設備もないので十字に切り目を入れて蒸してみた。 本来なら加熱はギリギリがおいしいのだが、 鮮度が不安なので十分に加熱。これもすでに塩がふってあったため 味の調節のしようがなくそこだけが残念だ。なかなかおいしい。 なお、蒸した際に鍋にたまった水にはいいダシが出ていたので 上記の茶碗蒸しのダシ汁に混ぜている。この汁には相当塩が入っていたので これが致命傷になったのではないだろうか。

魯山人本に「通は納豆に塩をかける」とあったので挑戦してみた。 イヤになるまでかきまぜた後少量の塩をふりかけてひとまぜ。 おいしい。醤油だと消される納豆の風味が塩だと良くわかる。 が、これはいい納豆でないと本当においしくはなるまい。

研究室旅行で角長の醤油(濁醤:にごりびしお)を買ってきた。 720mlで1480円という酒よりも 高い醤油である。国産の最高の材料だけを使い15ヶ月熟成させ、 保存のために通常行う火入れを行っていない生醤油だ。 ものすごく味が濃く香りが強い。大事に使おう。


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