食い物日記0010

2000年10月28日

カツオブシは破れた。だが、カツオのような無惨な破れ方ではない。 確実にダシの味は感じられる。まだ作って時間が経っていないので 材料の調和がとれていないし、勝負はこれからである。 しかし、カレー粉入れすぎた。 おかげで味もよくわからないほど強烈である。辛いというより熱い。 のどがスースーするほどだ。しばらく待とう。

やっぱダメだ。多大な損害を出してカツオブシカレーは敗退。 いろいろと手を加えたが、かえって悲惨な物体になった。 スパイスとカツオブシがぶつかってとんでもないことになっているのである。 食ってる時はカレーのスパイスのおかげで何もわからないのだが、 後味はちゃんとカツオブシ。かなり不気味だ。 隠し味程度ならいいかもしれないが、 メインに使うのはヤバいらしい。 トリガラと野菜をじっくりと煮込んで普通に作るのが吉ということだろう。 だとするとカレーはたまのごちそうという位置に留まることになる。

2000年10月27日

大阪日本橋の黒門市場にはやけにフグが売っている。 フグ免許をもった人がたくさん住んでいるのだろう。 などということはないか。 そういう料理人が買いにくるだけだろう。 ところでフグは食ったことがないのだが、そんなにうまいのだろうか。 死ぬ毒をより分けて食うほどに。いずれどこかで食わねばなるまい。

世の中ダシだ。カレーを含めた汁ものがどれだけおいしくなるかは 8割以上ダシにかかっている。ダシといえば、トリガラ、 こんぶ、しいたけ、かつおぶし、そして魚だろう。貝は高いので除く。 しかしこの全てがカレーに向いているわけではない。 具のない汁と違ってカレーは山と具が入る。 玉葱やらなにやらが大量に入るわけで、これに味を吸われてもなお 汁にダシが十分に残るくらい強烈じゃないとダメなのだ。 その観点から行くと、こんぶやしいたけは弱い。 魚はあの強烈なブリのアラですら せいぜい大根一本にしか味をやれないことを考えればちと無理がある。 事実昨日のはダシの味が弱すぎた。 とすると、残るのはトリガラとカツオブシ。 だがトリガラは場所を食うし保存も効かず、煮るのに時間がかかり、 脂が出まくって除くのが面倒という弱点をもつ。 つまりカツオブシなのだ。明日あたり実験してみよう。 通常の倍の濃度のダシ汁でカレーに挑む。 材料はタマネギ、にんにく、しょうが、カツオブシ、カレー粉+スパイス衆、 トマト缶、緑豆。さあ、どうなるか。

2000年10月26日

カツオ680円。包丁を使いたくて買ってきてしまったが、失敗だった。 鮮度の見極めを誤ったのである。試しに刺身で食ってみたが水っぽく生臭く、 食えたものではない。 やむを得ず、カレーに移行することにした。 カツオカレーは以前仲間内でやってえらく評判が悪かったのだが、 こんな状態では仕方ない。焼いて食ってもうまくないような こんな水っぽいカツオは煮てしまうしかないのである。 ナマリにして味噌汁の具というのも考えはしたが、ここはカレーだろう。 まずは玉葱、にんにく、生姜を炒め、カレー粉その他スパイスをブチこんで ひたすら炒める。一方ではアラでダシをとっておく。 黄色くなってきたらダシ汁と一緒にし、にんじん、ブロッコリー、 カツオの身を入れる。本来なら野菜は後で入れて煮える ギリギリで食うのがいいのだが、ダシが少々弱いので野菜にもダシの味に 貢献してもらおうという作戦である。 煮えたら火を止め、ふたをしたまま冷めるまで放置する。 ここで温度が下がる速度が遅いほどよく味がなじむのだ。 煮っぱなしではダメなのである。一晩置いたカレーや煮物がおいしいのはこの原理に よるのだ。 と、ここで気づいたのだが、ビラクラフトが埋まってしまってはメシが 炊けないではないか。やはり2つほしい。

ほどよく冷めたころにヨーグルトをブチこんで酸味を調整、コクも出て完成。 塩やらレモンを入れるよりもこちらの方が味が深くなるのである。 で今回の出来だが、やはりダシが薄かったのと、玉葱が足りなかったのが痛い。 味が薄いのだ。 あとは砕く前のスパイスをもっと使いたかったというくらいか。 しかしこれはカレーというよりはスープかシチューとして食うべき物体だろう。

2000年10月24日

百万遍を東に北部キャンパスを過ぎるまで行ったあたりにインド料理屋を発見。 値段も手頃だったので入って食ってみた。500円でライス+カレー+ラッシー。 で、辛かった。が、スパイスが鮮かで、ただ香りもなにもなく辛いものとは まるで違う。なかなか悪くないが、辛かった。 それにしても店内に美味しんぼのカレーの巻が置いてあるのは自信の現れだろうか。 つい読んでしまった。

そういえば長いことカレーを作っていない。 基本的にカレーはヨーグルト、 にんにく、しょうが、スパイス、ダシ、玉ねぎで決まるのだが、 これがなかなかうまくいかないので最近は作っていないのだ。 しかし今日のあれで少々やる気が出た。 問題はダシである。前まではトリガラを使っていたが、手間はかかるし あまり肉な味は好きではない。一度美味しんぼにならってカツオブシを使う のも手かもしれない。

2000年10月22日

体を汚したい衝動にかられてコーラ。汚れるほど甘かった。

2000年10月21日

ついに包丁を試す時がきた。ツバス250円。鮮度は並でそういいものでもないが、 スーパーにしては上出来である。さて切れ味だが、驚くほど良い。 ただ引くだけで、シャリ、という音とともに 直径5ミリはあろうという背骨が両断されたのだ。 身を切る時の切れ味もまたすばらしい。うす身すれすれに滑り込む様は もう魔法のようだ。これほどのものとは思わなかった。 普及品レベルでこれなら、プロ用とはどれほどのものなのか。 なお、料理は前のアジ同様。アラは煮て吸物にしたが、やはりうまい。 今度は塩の調子も間違わなかったので完璧なできだ。 一方身の方はまだ食べていないが、おそらく大したことはないだろう。 この魚はやはりブリになってから食うべきである。

ツバス。 やはり感動するほどはおいしくなかった。しかしまあこの値段でこれなら許そう。

酒補充。君の井の山廃純米吟醸。なかなか繊細で良い。 もっと短い期間でいろいろ飲み比べないとそれ以上は言えないのだが。

チェリモヤは熟した。だが、正直「なんだこりゃ」である。 まず切ってもおいしそうな匂いがしない。果実の質感はドリアン系で、 1センチ近い種がボコボコある周りをドロドロした果肉が包んでいる。 どう形容していいものかわからないが、梨の形の中が 種のデカいスイカみたいな外見で、その果肉はアボガド系のヌルヌルした奴、 という感じだろうか。で味だが、 「甘さ控え目のイチゴジャム入りアイスクリーム」。 よくわからないだろうが、そんな言い方しかできない。 種もジャマだが、よりわけられるような数でもないのでスイカ同様に 口の中で選別する。ただ果肉がドロドロしているので漉しとるように食べれば 分離は簡単だ。経験にはなったが日常にはならない果物である。

2000年10月19日

包丁を買った。下から2番目のグレードの刃渡り19センチのものだ。 12500円。前もって値段を調べていた奴はデカい奴だったので、 思ったよりは安く済んだ。あまりデカい奴だと小さい魚をさばくのには使いにくいし、 研ぐのも面倒なのである。ちなみにこの上のグレードは22000円。 なんぼなんでも手が出ない。

で、試そうと思ったのだが、スーパーに行く時間もなかった。 明日にしよう。できれば市場に行って巨大な魚を買ってくるのが良いのだが、 そんな金はもうない。

ついでに大阪の黒門市場の果物屋で、チェリモヤという謎の果物を買ってきた。 変な模様のついた梨みたいな物体だが、よくわからない。 とりあえずブヨブヨになるまで室温で放置してくれとのこと。 まだ固いのでしばらく待つことにする。

2000年10月18日

今日の魚はアジ。小さいの5匹(約500グラム)で150円という安さだ。 鮮度もスーパーにしては良く、腹も堅ければ目も濁っていない。 この鮮度ならば刺身で食える。というわけで今日は刺身である。

まず横で湯をわかす。 頭を落とし、エラをとって洗い、これを湯に放りこむ。 次に内蔵をとって捨て、ゼイゴ(アジの固いうろこ)を尾側から包丁で削って落 とす。さらに三枚におろす。背骨は半分にして、湯に放りこむ。 身は腹のあたりのうす身をそぎとってまた湯に放りこむ。 さらに頭側から皮をはぎ、はいだ皮も湯に放りこむ。 残った身が刺身になるわけだが、ここで一つ問題があった。 ザクに大気圏を突破する性能がないのと同様に、 この包丁にこんな小さな魚の身をさばく性能はなかったのである。 すでに身は崩れかけており、この後骨をとってうすくスライスするのは至難と 思われた。そこで、そのまま身をトントンと叩いて骨ごと半ミンチにし、 これをねぎに合わせて食うという戦略に変更。 だが、ねぎはないため、そのまま醤油をかけて食うことにした。一方そのころ、 湯の方ではアラが煮たっている。アクをとった後ザルで漉してアラを除き、 塩を少々加え、香りづけに醤油を数滴たらせば立派な吸物の完成だ。 好みに応じてみつばやねぎを散らすと良いが、ないので省く。

味だが、刺身はなかなかおいしい。甘味があって味も濃厚である。 アジは安いわりにおいしい魚なので、ヒマな人は是非試していただきたい。 注意すべきは鮮度で、目が濁っていたり、腹がやわらかかったりしたら 絶対に刺身では食えない。その場合は身を酢につけてしめてから食うか、 そもそも焼いて食うかどちらかである。 また、吸物もおいしい。若干塩をいれすぎたために味のバランスが悪いが、 基本的にダシがいいのでおいしいのである。 ところで、高いわりにおいしくない魚としてマグロがある。 マグロの刺身はたいがい味がない。冷凍したせいなのかは知らないが、 おいしいマグロに出逢ったことはまだないのだ。 トロにしたところでいいブリやカツオには到底かなわないのである。 ちゃんとしたマグロを食ったことがないせいだと思いたい。

安い魚といえば、キロあたり1000円以下の魚を指す。 この価格帯に入り得るのは、アジ、カツオ、ブリといった十分においしい魚 で、市場にいって鮮度のいいものがあれば迷わず買ってしまうものばかりだ。 次の価格帯がキロ2000円までで、 タコ、タイ(養殖)、アンコウ等がここに入り得る。入り得る、と書いたのは 何軒か市場で探さないとその値段では買えないことが多いからだ。 また、ちりめんじゃこ、みがきにしん等は乾物であるが故にこの価格帯でも よく買う。 これ以上高いものは普通なら絶対に買わない、 というか買えないのだが、特に保存が効く場合や、少量で満足するタイプの ものである場合に限って買うことがある。 塩鮭(紅・沖で3000円)、タラコ(沖で4000円)などだ。 残念ながら今は金がないので到底買うことができない。 この値段の塩鮭やタラコはやけにおいしい上に、 一度買えば長い間おかずにできるので、かなりおすすめである。 なお、そのへんで売っている鮭の切り身はキロ500円レベル以下のものだと 思って良い。タラコもたいがいがキロ2000円レベルの粗悪品である。

不思議な海産物としてイカがある。イカはやたらとスーパーで特売を 海産物で、一匹(200グラム以上)100円とかで平気で売っている。 鮮度は最悪で加熱せねば食えない物体だが、それにしても安い。 さて、これが市場に行くとびっくりするほど高いのである。 キロ5000円級も珍しくない。 安くてもキロ2000円を割ることは少ないように思える。 確かに真赤な斑点が出ていてみるからに死にたてなのだが、 この値段の差はなんだろうか。 そもそも一体スーパーのイカはどこから調達しているのだろう。 なお、イカの鮮度は色でわかる。身が基本的に透明で、鮮かすぎるくらい真赤 な斑点が出ているものが新鮮だ。こういうイカはイカの匂いとして知られてい るあの匂いがまったくしないし、皮はペリペリとすぐはがれる。 身はプリプリとしており、グニャグニャはしていない。 生で食べるとはごたえがあり、場合によっては肝臓も食える。 塩辛がつくれるわけだ。 一方鮮度の悪いイカは身が白くにごって透明度を失っており、 元々赤かった斑点も黒くなっている。黒っぽいイカし か見たことがない人も多いだろうが、あれはニセモノだと思っていただきたい。 匂いはするし、ヌルヌルするし、身はグニャグニャしてはごたえがない。 焼くなりゆでるなりしてしまえば差はわかりにくいが、 絶対に刺身では食えない物体だ。 というわけで、イカはごちそうなのである。 一度箱で買って一気にさばいて保存食にしてしてみたいものだ。 一年中いつでも最高級のイカの刺身が食えるなんて幸せにすぎる。

というわけで、包丁は必須。次に日本橋に行く時には迷わず買おう。 でも、どのグレードのを買うかで迷うことになる。 12000、16000、25000、39000と材質が良くなっていくのだが。

2000年10月17日

炊きこみ御飯。だが、酒がなくなっていたので酒なし。 そして見事に失敗。酒なしでは醤油が立ちすぎて味がとんがるのだ。 微妙な甘味が必要なのである。でも砂糖は不可。 せっかくのダシが砂糖に負けてしまう。

2000年10月15日

ラーメンについて

  一部でおいしいと評判で、はるばる大阪からも食いにくる人が いるというラーメン屋、ますたに(今出川白川西)。 実験に行ってみて、おどろいた。 グルタミン酸ナトリウム含有量でなんとトップを記録したのである。 感覚的なものなのでそう当てにはならないが、 高野北の横綱と張るグルタミン度であることは間違いない。 食べた後妙に口のなかがスースーしたら、 グルタミン赤信号だ。体に十分有害な量である。 加えて異様にしょっぱい。このしょっぱさでも山さんをはるかに抜いている。 つまり結論を言えば、到底おいしいとは思えない。 確かにダシは効いているしバランスもいい。 妙な匂いもしないので食い物の範囲を逸脱したようなラーメン屋とは違う。 だが、このしょっぱさとグルタミン度の高さではそれらも台無しだ。 そもそも高いのも気に食わない(大700円)。 これがうまいのだとすると どうやらオレの味覚は普通の人から相当かけはなれてしまったと言えるだろう。

  ちなみに、匂いが危ないラーメン屋といえば今のところ、 きんりん(白川今出川南?もっと南か)と はなぞの(東大路みかげ北くらいか)が両巨頭である。うわさではらんたん (東大路丸太町北)もやばいと聞くが、わざわざ試しにいく気はしない。 店の前で妙な匂いがしたら赤信号だ。

  今のところ比較的レベルの高いラーメン屋としては、 天天祐(高野ずっと北)、山さん(高原東鞍馬口)を発見している。 これらはグルタミン度がそれほど高くなく、ダシも良好で 値段も安い。山さんは若干しょっぱいが、これも許容範囲内だ。 また、天下一品もグルタミン度は低く、ダシは良い。 味は見た目の割には普通である。 問題はあのドロドロを良しとするかどうかだろう。 未確認情報としては、 寺町のあたりに白味噌のラーメンがあり、 上品でいいとは聞くがまだ試していない。

  なお、ラーメン王は結局吉祥寺二郎。変な麺。変なスープ。変にうまい肉。 変な注文方式。その他もろもろが一体となって他のラーメン屋の追随を許さない インパクトを持っている。なお、味はたぶんちゃんとおいしい、と思う。 実はいまだに自信がない。

  なんにせよラーメンは基本的にジャンクである。 味の素を入れていないラーメンなどほとんどないし、 たいがいは不必要にしょっぱく、油もキツい。 あまり高頻度に食べるのは避けたいところである。 食わなきゃ良いのだがね、本当は。でも食いたくなってしまうのだから仕方ない。

2000年10月14日

今日はアレが赤かった。昨日飲んだトルコ産スープもまた赤かった。 ちなみに、アレの匂いは飲んだスープの匂いと同じだった。 入る前と出てからで匂いと色が変わらないのはすごいことである。 味からして合成系だったが、どうやら本当に合成系だったようだ。

2000年10月12日

話題の「ショコラチャンク」。クッキーとは名ばかりで、 妙にサクサクしてこそいるものの所詮チョコレートの塊である。 しかも凶悪に甘い。
「ホワイトチョコを練りこんだ生地にチョコの塊を入れて焼きあげました」
とあるが、何か山葉堂のワッフルを思わせる文句である。 これを開発したのがONE好きだと言われたらオレは納得できるだろう。

金が尽きた。あと15日前後、備蓄のみで暮さねばならない。 3000円くらいはあるが、電話代が引き落とされるので使えない。 というわけで、炊きこみごはんを8合ほど炊いてみた。 水2リットルで昆布としいたけのダシをとり、これで玄米を炊く。 塩大さじ1と、酒カップ半分くらい、それに醤油を香りづけ程度に加えるのが ミソだ。本来ならしいたけは別にかつおダシと醤油、酒で煮ておくと 良いのだが、今回は面倒だったのでそのままブチこんだ。 で味だが、とてもおいしい。少し塩気が足りないのはしいたけを煮なかった オレに罪があるのであって、全体の味付けを濃くすればいいというものではない。 なお、ちりめんじゃこカップ4くらいを一緒にブチこんで炊くとなおおいしいのだが、 すでに尽きてしまったのである。市場に行く金もない。 このメシだけであと二週間生きることにする。

2000年10月10日

パンやまんじゅうの生地に砂糖を入れるのをやめろ。 魔がさしてミスタードーナツの肉まんを買ってしまったのだが、 この生地がクソ甘くてイヤになった。加えて中身までクソ甘い。 ちなみに日本で手に入るパンの大半は生地に砂糖が入っている。 小麦粉を精製して真っ白にしてしまったために味がないので、 それをバター、砂糖などで補おうというわけだ。 菓子パンの類が甘いのは許せるが、おかずパンの類までああも甘いのは許せない。 というわけでもう長いことそういうパンは食っていないのである。 加えて肉まんの類ももうやめる。

2000年10月8日

旅行の帰り、前に食った牛丼屋が目に入った。 普通なら絶対にこんなところで食ったりはしないのだが、 異常な疲れ方と空腹のせいでつい手を出してしまったのである。 しかもタチが悪いことに、同じものを二度食うのはつまらんと つい「大辛牛丼」なるものを食ってしまった。 そしてこれがとんでもなく辛い。 水で舌を冷却しながらなんとかかきこむように食ったが、 味なんてまるでわからなかった。辛さの正体が舌の感じる痛覚なのだということを ひさしぶりに思い知った。痛いのが好きなのがマゾならば、 辛いのが好きなのもマゾである。

2000年10月6日

今日の果物。いちじく。干してない物は生まれて初めて食う。 7個280円。古くなった奴らしく微妙にカビている気もするが気にしない。 で味だが、甘い。すっぱくもなく甘い。なんかすっぱそうなイメージがあったのだが、 そんなことはなく甘い。干しいちじくの味そのまんまに水っぽくなっただけだ。 わざわざ買う気になるものではないかもしれない。

ところで、いちじくがグロい果物ランキング堂々一位入賞。 中とか絶対ヤバいって。「おまえ食虫植物だろ」って話かけたら、 「バレたかぁぁぁ」っていって口開けて襲いかかってくるに違いない。

2000年10月3日

花輪和一の刑務所の中に「人間は毎日うまいものを腹いっぱい食っていると 脳がどんよりして必ずダメになる」という言葉がある。 まったくだ。食い物にうまってうまいという感蝕を 味わえなくなっている連中に比べれば、 玄米のほとばしるようなうまさを味わえる方がいい。 貧乏人の負け惜しみにも聞こえるが、 それで快楽が得られるならそれでいいじゃないか。 つまり玄米+麦メシはうまいのである。

2000年10月1日

しめさば。スーパーの特売で一匹100円という安さにもかかわらず、 腹がちゃんと固いかなりの鮮度のものだった。 本来なら3匹や4匹買ってきてしめさばにして保存すべきなのだが、 今日はやる気が出なかったので1匹。なかなか脂がのっていておいしい。 実験のために酢でしめないで食べてもみたのだが、 さすがにそれほど鮮度は良くなかった上に体が小さいので 味がいまひとつだった。 やはり安くて鮮度がいいさばはしめさばにするに限る。 鮮度が悪いときには味噌煮もいいのだが、 あれは脂が妙にキツく感じられて食欲を削ぐ。 そもそも鮮度が悪いのを買うのは愚だろう。 ちなみに、今日は普通と違う手段でしめさばにしてみた。 普通は塩をかけて水を抜くのだが、 これを吸水シートで代用してみたのである。 塩をかけると確かに水はよくとれるのだが、 一歩間違うとパサパサになっておいしくなくなるし、 加えて塩もキツくなって本来の味が失われる。 塩のふり方はかなりのスキルが必要とされるのだ。 それに 冷蔵庫という強い味方がいるこの時代にそこまで保存性を高める必要もない。 で、吸水シートにくるんで圧をかけつつ一時間冷蔵の後、 30分酢でしめた。酢は玄米酢である。 すると、ただの刺身よりおいしい。強すぎない酸味が食欲をそそるし、 刺身の味がより引き出されている。いい醤油を使えば風味も良く、 塩気も酢の酸味と調和して味も引き立つ。 この方法では保存はそう効かないが、市販のパサパサでしょっぱく酸っぱい しめさばとは雲泥の差だ。京都ではかなりの率で鯖鮨を売っているが、 おいしいものなどめったにない。


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