だだもれ

2015年12月29日

シリコンスチーマーを買ってきたら、豚皮スナックがいい感じに作れるようになった。 しかし、食べてほしい子供らが食ってくれるかどうかはまだ未知数。 うまく行かず固かった奴を食って印象悪くなってるかもしれないなあ。

シノンが太ってきた、とひつじこ。確かにそうだな。 原因は牛乳だろう。牛乳はインスリンが即座に出るくらい 糖質が多いのだ。一日1リットル飲めば、糖質は50gくらいになる。 頻繁に飲めば頻繁にインスリンが出て額面以上に太るんじゃないかなあ。 インスリンが出ている間は脂肪を燃やせないし、 自然と活動が鈍ってエネルギー消費が減るのである。 カロリーを多少がんばって削っても、インスリンが出ていれば太る。 カロリー削減分は運動量の減少が埋め合わせてしまい、 体重減少にはつながりにくいのだ。

いろいろあったが日記を書いている余裕などなかったし、今もない。

寝てるオタマの口が臭いなあ。慢性的に鼻詰まり気味だから 口が開いたまま寝ることが多いし、そもそも唾液が少ないタイプっぽい。 口内のPHはアルカリ気味なので虫歯にはなりにくいが、 将来は歯周病になりやすいタイプだ。 糖質を抑えていればだいぶ軽減はするだろうが。

退院してきてからひつじこに怒られまくりな気がする。

結構家事してると思うんだが、他の家に比べてどうかなんて何の意味もない。

結局、家にひつじこがいれば、子供らはひつじこを求める。 「見てて」と言われても、

「亡命ロシア料理」が大層面白くて、オーブンで煮物を作る実験を始めた。 120度で放置。しかしヘルシオは連続95分以上の運転ができない仕様で、 一回の運転では終わらない。オニオンソース付きのローストポークや、 白菜と鶏肉の煮込みなどがおいしくできる。 ただし、生肉と野菜を放りこんで放置、というやり方だと、アクを取れない。 豚臭さや、安い鶏の臭みがそのままになる。 水を入れて煮るものであれば、前もって55度でアクを抜く水島技法が できるのだが、それができない場合もある。 豚肉の場合1%-2%の塩漬けにして数日経てばかなりの汁が出てくるので、 これを捨てればおおむね良い。 だが鶏は数日塩漬してもあまり汁が出ず、臭いままだった。

今日はぶりあらと大根をオーブンで煮た。 直後はとてもおいしい汁だったが、 大根が子供には固い仕上がりだったので追加でコンロにかけた。 そして、ぶりが酸化して全てが台無しになった。 魚は脂を除かない限り長時間の加熱には耐えない。 オーブンなら酸素をある程度除けるのでまだいいが、 コンロだと気密が甘いので猛烈な速度で酸化が進む。 それでもすぐ食べれば良かったのだが、食べる時期も逸してしまった。 捨てることにした。魚の汁を作るのはしばらくやめよう。

オムレツには生クリームを少し入れると良いようだ。

2015年12月18日

月曜は放射線の病院に同行するつもりだが、 産まれるよなあそれくらいには。 オタマとシノン連れて病院行く覚悟もしておこう。 ひつじこ両親が来てくれるということではあるが、 状況がどうなるかはわからん。

糖質制限してても血糖値が下がらない人がいるらしい。 蛋白からの糖新生分だけで十分血糖が上がってしまうのだろう。 たぶん、そこまで下げようと思わない方がいいんだろうな。 血糖値120あたりで安定してるのであれば、 インスリンが出っぱなしになるわけではないだろう。

2015年12月16日

弟セカオピで銀座。 骨転移は放射線の方向で。 肝転移、リンパ転移はしばらく放置。 薬はサイラムザを継続。 放射線を当ててCEAが落ちなければ他に何かあるとみなさねばならないが、 骨転移以外は大きくなっていないのだからCEAは骨転移だろうと推測できる。 骨転移にだけ薬が効かない、ということが珍しくないらしい。 また、ふらつきが激しいのは脳転移ということもあるので、 念のためMRIを取っておくべき。 アバスチン単剤でふらつきが出ることは多くないそうだ。 あと、ゾメタはやってもいい。ランマークでも良いが、 ひどい低カルシウム血症を経験して以来ゾメタでやっているという。 入院設備があってケツを拭けるのであればランマークの方が楽だし良いかもしれない、 とのこと。主治医の好みで決めてもらっても良さそうだ。 どうせ点滴やるんだしゾメタの方が楽な気はするな。安いし。 ジェネリックにすればさらに安いが、 どうせ高額医療の上限は突破しているので関係ない。 病院がどちらを配備しているか次第だな。

というわけで、10分ちょいの診察の後、即座に父母弟は福島へ帰っていった。 明日主治医に放射線医向けの手紙を書いてもらいに行くという。 運転手の父は大変だ。弟も車に揺られてるだけでしんどいくらいにふらつくらしいし、 とにかくしんどい状況である。だが、ここは最短でやらないとまずい。

夫婦別姓が合憲という判断らしいが、そりゃそうだ。 制度上はどっちの姓にしてもいいわけで、男女に差はない。 夫婦別姓を認めるかどうかは立法の問題で、司法の問題じゃない。 これは理屈でなくニーズで決まる問題であり、 望む人が増えれば通るだろう。

ひつじこ、早く産めと病院側から圧力。 年末で手薄になる前に産んでくれないと困るようだ。 スクワットをして歩けと言われた。 歩けば早く産まれる、なんてエビデンスはないっぽいが、 こういう時には病院側もエビデンスエビデンス言わないらしい。 助産師さんだからかもしれないが。

2015年12月14日

弟病院。PETの結果が出た。 最悪ではないが、最良からは遠い。おおよそ予期していた結果となった。 第9胸椎骨転移。「常識的に言って完治はない」という状況に変わりはなく、 落ちこむことはない。落ちこむけどな。 でも、これ以外に新たな病巣はない。 肝臓はコントロールできており、病巣も見えるのは一つ。 あとはもう一個昔からあるリンパだ。こいつも放射線で焼けないかなあ。

さて問題は治療だ。なにせ背骨であり、荷重骨だ。 放っておけば潰れて骨折し、麻痺が起こる。 そもそも今痛い。これをどうにかせねばならない。 幸いにして、CTでわかるレベルではなく、進行度は低い。 とはいえ、なんか骨薄くね?と近くの整形外科で言われたらしいから、 専門家なら異常を感じるレベルではあるのだろう。

治療は4つほどある。まず手術。 腫瘍を掻き出してセラミックなりチタンなりで補強する。 相当に侵襲が大きく、1年は生きるだろうという見込みがなければ そもそもやってもらえないレベルだ。そんなしんどい治療は避けたい。

次が放射線。普通に前からバーッと当てれば、 食道と胃がやられる。主治医によれば、それは避けるべきとのこと。 自分で苦労して手術した所を放射線で台無しにされたくはないわな。 やるなら陽子線だろうとのことで、似たような状況の患者がいれば 郡山の南東北に送っているようだったが、 滅多にいないらしく参考になるレベルではない。 胃癌は大抵骨転移する前に死ぬので、こういう状況にはなかなかならないのだ。 大腸癌だと骨転移するまで生きる率が高いが、この場合は転移先が骨盤になるので 胃やら食道やらがある場所よりは放射線を当てやすい。 とはいえ陽子線は凄まじく高いし、実のところ最先端のピンポイント放射線治療に 比べるとピンポイント度が低かったりする。最新の機械を持っている病院で 意見を聞くべきだろう。保険が効かないという可能性はあるが、 ともかくも話を聞かねばならない。

そして薬。まずはゾメタとランマーク。後者の方が新しく、妙な副作用が少ないので、 たぶんこっちだろう。骨粗鬆症の薬で、骨が溶けるのを防ぐ。 癌細胞は直接骨を破壊できないので、骨を壊す細胞を操って骨を壊し、 侵入する隙間を作っている。ここをブロックする薬だ。 かなり時間を稼げるというが、痛みが出てしまった状況で痛みを止められるかは わからない。癌を減らさないことには痛みは減らないだろうと考えれば、 放射線を使わないならば抗癌剤で癌細胞を減らす必要がある。

もう一つの薬は、メタストロン。 放射性ストロンチウムを注射して、カルシウムと同じように 骨に集積させ、中から癌細胞を叩く。 といっても癌細胞を殺し尽せるほどの線量ではなく、 細胞数を減らす程度のことだ。その結果痛みが和らぐ。 当然のように骨髄にダメージを与えるので、 ゾメタやランマークでは鎮痛が足りず、放射線も当てられない、という場合が 主な適応となる。弟の場合いきなりこれということはないだろう。

というわけで、明日別の病院を受診予定。主治医もアドバイスが聞きたいらしい。

2015年12月13日

どうにも胃が痛くて消化されない感じなので漢方の実験をすることにした。 茯苓白朮生姜陳皮あたりの胃薬定番メンバーに、下に流す枳実を混ぜる感じか? と思って調べたら茯苓飲がそのものだ。人参が含まれているが、うちにはないし、 党参で代用してもコストが上がるのでなしで実験することにした。

茯苓飲をチビチビ飲みながら15分。 腹痛はまだある。ゲップが二度出た。便意が強まった。 湯だけでもそうなったかもしれず、 スッキリ治るくらいでなくては薬が効いたとは言い難い。

30分。まだ治らない。おならが出そうな気配はあるが出ない。ゲップがもう一度出た。 デカいのが。 下に若干流れているような気もしなくもないがプラセボと言われればそれまでだ。 下に流れるならゲップは出ないだろ、という気もするし。

45分。おなら感が強くなったのでトイレ。腸でも詰まってるようでなかなか出ないが 少しづつは出ている。こりゃ大黄もいるな。というか、これ痛いのは胃じゃないな。 もう腸だ。効いてる可能性がある。

ひつじこには毎日キュウ帰調血飲第一加減モドキをもっていっている。 延胡索、木香、牛膝を欠いているが、だいたいそれだ。 血行改善の四物湯に、腸を動かす薬、 それに血管を掃除する牡丹皮、桃仁、紅花、益母草。 出産ダメージからの回復に使われることが多い。 で、陳皮、枳実、烏薬、香附子、木香、と消化管に作用して下に送る薬が やけに配合されているのは、大黄の代わりなのかなという気がしてきた。 なぜかわからんが、血管を掃除する薬は大便を出した方が効きがいいらしく、 大抵大黄が入れてある。しかし大黄は体を冷やすし、 人によっては反応が良すぎて体力を損う。 実際ひつじこも大黄の感受性が良すぎるタイプで、使いにくい。 大黄なしでできるだけ効果を高めようとする工夫なのかもしれない。 木香を欠いている分烏薬を増量した方がたぶん効きがいいな。 だいたい似た薬効に見えるし。 牛膝や延胡索はたぶんなくても大勢に影響はないだろうが、 その分牡丹皮や桃仁あるいは紅花を増量してもたぶん問題ない。

60分。デカいおならが出た。胃はいいから腸をどうにかしろという状態。 大黄で下したい気持でいっぱいだ。ちょっと便も出たけどウサギの糞みたいだし。 便秘と重なったからこんなにひどいのか。

そういや喉の痛みに対処するために忍冬やら薄荷やらの薬を昼間に飲んだな。 あれがマズかったか。甘草は蠕動を抑制する。消炎系の生薬は胃に悪いというのが 基本だしな。

2015年12月12日

立花隆の「がん生と死の謎に挑む」を読んだ。 テレビ番組の補足のような本で、 別に新しい情報があったわけではない。しかし、 知恵のある人が癌治療の現実を見ればこういうふうに見える、 というサンプルとして参考になった。 戸塚洋二氏の闘病体験を知れば、抗癌剤がどれほどキツい毒かがよくわかる。 一般的なイメージの悪さには根拠がないわけではない。 癌は感染症のように克服できる代物ではなく、 進歩によって得られるのはせいぜいが「癌では死ななくて済む」 という程度であろうし、 そうなる日が数十年のうちに来ることもない。

戸塚洋二氏の闘病ブログを立花隆がまとめた「がんと闘った科学者の記録」 を斜め読みした。癌に関連がある所だけ。 闘病が過酷すぎる。標準治療をこれだけの期間、 これほどの副作用にさいなまれながらも続けるというのは 一体どれだけの精神力だろうか。 しかも、その最中に週二日とは言え仕事を続けていたというのだからすごい。

どちらでも、休眠療法に関する記述が気になった。 戸塚氏は明らかに興味を持っていて、 自分の闘病体験から、正しい方向性はそちらだろうと思っていたように読める。 しかし、自分でそれを試すことはなかったし、主治医を換えることもなかったようだ。 休眠療法の高橋氏とはメールのやりとりをしていたようなのだが、 理屈に魅力を感じても実績がないものに賭ける気になれなかったのかもしれないし、 医学への貢献のために標準治療のデータを蓄積しようと思ったのかもしれない。 あるいは、休眠療法をやっている医師が近くにいなかったのが理由かもしれない。

診察時間が短くてロクに話をできないことを嘆いていたり、 患者の体験がデータベースになっていない現実を嘆いていたりと、 共感できることは多い。医者が数値で話をしないことは私も気になっている。 同じ境遇にある人がどのような治療をし、どのような副作用に見舞われ、 そして、どれくらい生きたのか。そういうことは常に知りたくなるものだ。 患者のブログがこれだけ多数あるのだから、記録を取る意思のある人は たくさんいるのである。であれば、医師側から なんらかの方法で患者に経過をメモしてもらうように働きかけ、 それを蓄積して検索可能にすべきだろう。 しかし医師の側からすれば、そんなヒマはないし、動機もないので 現状がこうなのは仕方ないとは言える。 それに、医師がやっても技術面でキツいだろう。 今時それをやるとしたら当然webサービスになるわけで、 そんな短期的に金になりそうもないことを高い技術力でやってくれそうなのは googleくらいしか思い浮かばない。本当やってくれないかなあgoogle。 癌に限らず、「薬を飲んで効いた効かなかった副作用こんなだった」 みたいな体験談が多数蓄積されれば、 ランダム化臨床試験が行われる見込みがない分野でも かなり頼りになるデータが集まるのではなかろうか。

戸塚氏は治療が相当うまく行った部類だ。 2000年に大腸の手術、2004年に肺転移、 2005年後半にさらなる肺転移、 2008年に肝転移、骨転移、脳転移して亡くなっている。 ステージ4状態の標準化学療法開始からですら2年もちこたえている。 この悲惨な状況が「うまく行った部類」であることが、現在の癌治療の実情であり、 癌がいかに恐ろしい病気かということを語っている。

とはいえ、理想的、というわけでもなかったようだ。 もっと早く脳MRIを受けて脳転移を見つけていれば、 と戸塚氏は書いている。 普通大腸癌や胃癌では骨転移脳転移が出るまで生きてはいられないので、 ガイドラインにそれらの検査が入っていないのだ。 骨転移は直接の死因にはなりにくく、 肝転移が死因になるにはまだ間があったように見える。 最終的な死因は脳転移によるものだろう。 とはいえ、CEAが4桁になるような状況では大差はないのかもしれない。

それにしても、副作用が過酷すぎる。オキサリではボタンがはめられないレベルに 指のしびれが出ているし、 5FUの下痢と吐き気もひどい。イリノテカンでは間質性肺炎だ。 これで車を運転したり、仕事に出掛けて議論したりしていたわけで、 本当に恐ろしく頑丈な人だったのだなと思う。空手やってたらしいし、 元々頑丈なのだろう。だからこそ、大酒を飲み、徹夜をし、そして癌になるのだろうか。 山本巌の言う「ヒバリ型」、日本漢方で言う「実証」そのものだ。 弟も活動的というわけではないが、本来の体質としてはそっちなんだろうなあきっと。 体の異変に対して鈍いというのも含めて。

2015年12月11日

ハイパーサーミアは高額医療に引っかかっていれば事実上タダで受けられるが、 衰退が著しくやってる所が少ない。効かなかったんだろう。 でも、もし置いてる施設で治療することになるようなら、ついでというのはアリか。 頭の片隅には置いておこう。 しかし、あくまでも「ついで」だ。

2015年12月09日

弟が脇腹の痛みで整形外科を受診。 異常があるというわけではないが骨が薄く感じられる、と言われたそうで、 湿布とコルセットで様子見とのこと。 骨転移の覚悟をせねばならないかもしれない。 PETで見えるはずなので、今あれこれ考えても仕方ない。 来週になればわかることだ。 骨転移があるとなれば、局所治療は緊急回避でしかなくなる。 しかし、放射線医と知り合っておくことの重要性はむしろ増す。

「知っておきたい骨転移」。 これを読むに、可能性は高い。「週から月単位で悪化するしつこい痛み」 まさにそれだ。

治療は悪化を遅らせる薬として、ゾメタとランマークがある。 前者は点滴、後者は皮下注射。ランマークの方が良かろうというのが大勢のところだ。

骨転移はいきなり命に関わることはないが、痛み、麻痺、骨折の3つが危険だ。 骨シンチで全身を一気にスキャンしておきたいところだが、 PETで事足りるならそれでいいな。 骨転移を叩く手法としては、 放射性のストロンチウム89を注射して骨に蓄積させて叩く方法があるという。

骨が多少破壊されても、そこにいる癌細胞を殺せば、骨の再生が始まることが多い。 四肢だと肉をどけて放射線を当てるケースすらある。 しかし、強度変調型の放射線は骨転移には保険適応外で、 普通のリニアックになってしまうようだ。

2015年12月08日

土曜はひつじこ実家にて、建築士と照明やコンセントや家具の確認に同行。 私ができることなんて別にないのだが、 ひつじこ両親にはなにやら頼りにされているし、 建築士にも話を理解できそうな人間がいて、場合によっては翻訳してくれることが 有り難かったようだ。行った甲斐はあったということだろう。

それにしても工夫が行き届いている。照明は小さなものを多数分散しており、 部屋に影ができにくい。平屋であることを活かして 屋根の頂上部に窓を置き、採光すると同時に、熱い空気を上から逃がせるようにしている。 コンセントはだいたいどこにでもあるし、 テレビの線ももライフスタイルの変化に対応できそうな感じに配置されている。 建築士はとにかくえらそうな感じがない人で、 質問には本当に丁寧に答えてくれる。 壁や床の断熱性はわかるが、窓ガラスやアルミサッシはどうなのか? と聞いてみたが、この10年ですごく良くなっているので昔のものとは違うとの答え。 ガラスは積層で、プラスチックの層が混ざっているので断熱性と耐衝撃性に 優れているのだそうだ。

ひつじこは、もし家を建てるならこれくらい真面目に作ってもらえない限り意味が ないと考えている。であれば家は買えないだろうなあ。 そもそも転職の可能性を否定できる状況にならない限り買うなんて無理なんだが。

日曜日は幼稚園のおゆうぎ会。 担任の先生お手製の衣装を着て、くまの子ウーフの歌に合わせて踊る踊る。 先生働きすぎじゃないか。普通の幼稚園なら親を労働力として使う所だと思う。 離職率が大変高い幼稚園で、おそらく先生にとっては過酷なのだろう。 若いうちにそこで修行を積んでから他へ行ってヌルく過ごす、という感じなのかもしれない。 それはそれで、どこかのゲーム会社と同様に学校としての役割を果たしているのだから それで良いとも言える。

去年は早い者勝ちで敷物を使って場所を確保する修羅の国だったが、 今年は出てくる子の親だけが座れる優先席が設置され、 また、敷物の使用は不許可となった。 実に良い。自分の子を近くで見られるし、収容できる人数自体も増えていたことだろう。 敷物による場所取りは非効率なのだ。 場所取りしたくて仕方ない一部の親はきっと良く思っていないのだろうし、 妨害もあっただろうが、今年の母の会はずいぶんとうまくやったようだ。 志を持った人が結託してさっさと役員になってしまったのだろう。 マナーの悪い親は役員などやりがたらない傾向があるはずだ。

月曜は会社を休んで福島。 オタマがおゆうぎ会の振替で休みだったので、 家族揃って行くことにした。 日曜の昼過ぎに出発。 品川で特急に乗ったらそれでおしまいなので、ずいぶんと楽だ。

私の実家の建物は、ずいぶんと作りがいい気がする。 木材も、加工も綺麗だ。建築中のひつじこ実家を見てずいぶん丁寧に作っているなと思ったが、 改めて見てみると似た印象がある。さして金をかけたわけでもないはずだが、 田舎ではそれが当たり前だったのだろうし、 祖父の力もあったのだろう。元役人なのだが、ずいぶんと顔が広かったようだ。 業者を決めたのは祖父である。昔は小作人がいたというし、土地も結構持っていた。 実家が建っている土地も祖父からもらったものだ。

病院。診察時間は5分となかったが仕方ない。医者は忙しいのだ。 下手に時間を取らせれば印象が悪化する。 確認すること、頼みたいこと、等々を重要な順に整理して、 そろそろかなと思ったところであきらめて次回に回すことが重要である。 最初からそれがわかっていればもっとうまくやれたかもしれないが、 始めの頃に通っていた病院はそうしたとしてもうまく行かなかった気はするから仕方ないな。

まず確認。CTで見える病変は、肝転移が一つと、11nリンパの2つのみ。 CTがなにせフィルムなので肝転移はもっとある気はするのだが、 とりあえずフィルムで見える範囲ではそれしかないことがわかった。 以前のCTをPC上で拡大しながら見た時には3つくらいはあった気がするのだが、 おそらく縮小したということなのだろう。 長い間不変だった11nリンパ節も、ハーセプチンやらサイラムザやらをやっている間に 縮小したようである。ということは癌だったということだ。

で、放射線治療を検討したいということを伝えた。 PETの結果が出た頃にお手紙をおねがいします、 と言ったら承諾がもらえたのでまずは安心。 年内に放射線の病院に相談しに行けそうだ。 明日がPETで、その結果が来週に出ていれば来週にも手紙を書いてもらえる かもしれない。

問題はPETで新しいのが出てきた時にどうするかだ。 全身に星の数ほど転移がある、というのが最悪ケースで、 この場合は抗癌剤でどうにかするしかない。 今だって医学的エビデンスから言えば望みがほとんどない状況だが、 癌が治らないことが確定したからといって、すぐに死ぬというわけではない。 しかし、もし転移が山ほどあれば、そう長くは保たない可能性が高くなる。 また、新しい病変が出てきたとしても、 放射線なりラジオ波なりの局所治療でやりやすい場所であれば、 やはり放射線を試す方向で行くことになる。 肝転移が増えている可能性は低いが、骨転移、肺転移、脳転移などは 放射線が使えることがある。脳転移はPETでは見つからないので、 ある程度落ちついたらMRIをやらないといけないが。 そして、新しい病変が出てこなければ、 やはり今見えている肝転移を放射線でやる話になる。 11nリンパもやれたらいいんだが、 放射線に弱い胃や膵臓が近いのでたぶんダメだろう。 なにせ奥深いところにあるし、 そもそも執刀医によれば他にも転移リンパはたくさんあったらしいので、 CTで見えているからと特別扱いする意味はたぶん薄い。

残した話題は、脇腹が痛いので鎮痛剤があった方がいいんじゃないかという件と、 化学療法の次の手をどうするかという件。 前者は20秒で済むので言うべきだったのだが、失念していた。 そして化学療法に関しては、今日ああだこうだ言ったところで、 PETと今日測ったDupanが出るまでは方針を決めようという話にはならなそうなので、 まあ仕方ないだろう。一週待つことになる。 サイラムザ単剤ではダメっぽい、ということははっきりしているので、 緊急避難するならオキサリ+ハーセプチンだろうな。効くとわかっている薬で、 まだ耐性がついたわけでもない。しびれが出たので止めただけだ。

午後は四時ダムに行った。途中の道から見える山は紅葉で綺麗だし、 ダムの眺めはいい。でも高いのは恐い。 ダムより北にある四時大橋も見に行った。こっちは本気で高くて恐い。 ひつじこは広々とした所に行くと元気が出るので、 父に頼んで連れていってもらったのである。 私は車の運転なんてできないからな。

夕方また特急で帰ってきた。オタマは電車で寝てしまったからか、 なかなか寝ない。11時近くなって寝た。私はそれから仕事。 さっさと片づけないといけないことが全然終わってないからな。 しかし日記を書くことは今しかできないので、 ある程度で止めてこうして日記を書いている。

2015年12月01日

全然本業に役立たんが、急に固定小数点演算が脳内で盛り上がった。 だいぶ前から浮動小数点数を文字列化する方法は気になっていたが、 なにせどうでもいいことなのでさして時間を使うこともなく、 納得が行く感じにはなってなかったのである。 役に立たないのは今でも変わらないのだが、 なんとなく気になったのでもう少し考えた。

10進にするためにはm*2^eで表された浮動小数点数が、 10進で何桁あって、それぞれの桁がなんぼなのかを求めないといけない。 m=3、e=5なら、3*2^5=160だ。 160は10進3桁で、1,6,0の順に数字が出てくる計算方法が必要になる。 この例なら問題はなく、100で割って1、100を引いて60にして、 10で割って6、60を引いて0になるので、0。これで終わりだ。 最近知ったのだが、まず10で割った余りを求めて0、 100で割った余りを求めて60、という順に下から求めて後で引っくり返す手もある。 しかし、mやeが大きくなると、コンピュータでそのまま計算できない大きさになる。 例えばm=3,e=40だと、3298534883328になる。3兆だ。 古いコンピュータでは40億までしか扱えないものが多いので、 このままではどうにもならない。

単純な方法は、ちょっとずれてもいいと割り切ることから生まれる。 eが0になるまで、mに2を掛けていき、掛ける度にeを1減らす。 扱えないほど大きくなる前に10で割る。 10で割った回数は覚えておく。 仮に最大999しか扱えないと考えてみよう。 3に2を掛けて6,12,24,48,96,192,384,768,とここで止まる。eは32になっている。 10で割って76。また掛け始める。 そんな感じにやると、eが0になって、10進の上の方の桁がmに入っている。 10で割る度に余りを切り捨ててズレていくが、 上の方の桁は問題なく使えるし、元々のmは整数の最大値よりもかなり小さい 値しか入っていないので、かなり余裕があるのだ。

この方法の欠点は、eが0になるまでグルグル回さないとけないことだ。 デカい数ほど遅くなる。もっとマシな方法があるなら、その方がいい。

もっとマシな方法があるはずだ、ということは前からわかっていた。 m*2^eが10進で何桁あるか?という問いには、数学を使えばあっさり答えられる。 10を底とした対数を取ればいい。 log10(m*2^e)だ。対数関数の性質から、これは、 log10(m) + e*log10(2)となり、log10(2)は電卓で計算できる。0.301くらいで、 つまりeが40あったら、12桁くらいはあるとすぐわかる。 あとは、log10(m)を計算できればいい。 結果として何桁あるかわかって、例えば12.52桁あるとわかれば、 一番上の桁は10^12、つまり10兆の桁だとわかる。整数だけ見ればいい。 あとは、その桁がいくつかだが、これは対数の小数部分を使う。 12.52桁なら、0.52が小数部だ。 10の0.52乗したものを計算すると、3.2985...と出てくるので、 上の桁から順に32985...となることがわかる。 これなら、eがデカくても遅くならないように思える。

しかしこの方法には問題がある。精度だ。 普通に10のx乗や、10を底とした対数を計算する関数は提供されているのだが、 これを使うと誤差が出る。floatのままでやるのでさっきと違って余裕がない。 結果、10進の数値に直したものを読み取ってまた元の数に戻す、 ということができなくなる恐れがある。 それに、floatの計算はどこでも同じ結果になるとは限らない。 機械によって違う数字が出てくるのは気持ち悪いわけで、 だから、ここの計算はもっと高い精度の整数でやるべきだ。 しかし、単に精度を高くするだけではダメで、速度も問題になる。 元々遅いから改良したかったわけだから。 そのためにはCPUに入っている命令をできるだけそのまま使うべきで、 できれば32bitの整数演算だけでやりたいわけだ。 だから固定小数点数なのである。

なお、doubleがあるじゃん、 とかいうツッコミはこの際無視する。それじゃ面白くない。 それに、doubleを吐く時にはどうせ同じことをやるのだ。

log10を固定小数点で計算する。この段階ですでにして面倒くさい。 log10(x)は自然対数lnが計算できれば、ln(x)/ln(10)として求まる。 ln(x)はテイラー展開で求めればいいが、x=0で発散するので -1ずらしてln(x+1)で計算する。しかしこれでもテイラー展開の性質が悪すぎて まるで使い物にならない。仕方ないので工夫を凝らしてln((x-1)/(x+1)) を計算する。テイラー展開ならかけ算と足し算ができれば事足りたが、 ここにきて割り算まで必要になっている。 固定小数のかけ算も面倒だが、割り算ほどではない。 32bitを32bitで割って32bit精度の商を得ようとすると、 たぶん筆算を自力で実装する羽目になり、かなりがんばっても遅い。 そしてそもそも固定小数の小数点をどこに置くかを考えることがすでにして面倒くさい。 小数部が大きいほど精度が上がるが、最大値が小さくなる。 もしxが100とかになるなら整数部に7bit割かないといけないが、 そんなに割くと小数部は25bitしか残らない。 うまいことln()の括弧に入る数を小さくしてやる必要があるが、 小さくしたらしたで固定小数の桁を無駄に余らせることになって精度が落ちる ことにもなる。

昔の人が大変な思いをしたことがなんとなくわかった。 8bitとか16bitとかしかない計算機でやりたい計算を実現していたはずで、 式の上ではシンプルでも、 それを精度に限りがある計算機でやるのはハンパな苦労ではなかったはずだ。 そして、それをやる過程で恐ろしくコンピュータというものに精通できただろう。 それは、こういうひどく地味な計算をする時でなくても地味に役に立つに違いない。 やはり地味なんだが。

これ、対数は割り算を使わない元の使えない式の方がいいのかもしれんな。 そのかわり入力を収束しそうな値に直す。ln(3)を求めたい場合、 3なんてつっこんだら絶対収束しない。3=1+xでxが2だから、 2の累乗が発散して死ぬ。xが0.1とかの小さい数になれば収束する。 つまり、3をどうにかして1.1とか1.2とかにすればいいわけだ。 今使える演算は、2か10で割るか掛けるかだけだ。 3に2を2回掛けてから10で割れば1.2ができる。 1回2で割るだけでも1.5にはなって、これはいつかは収束するが、 1項足す度に1bitくらいしか精度が増えないので、doubleだと50項必要な計算になる。 話にならない。0.25まで減れば25項、0.125まで減れば13項で、 それでやっと実用になる。 そしてどんな数でも、適当に2を掛けて上2桁が11とか12になった所で10で割れば 収束しそうな数に落とすことは可能だ。 何回2を掛けるかは前もって表にしておける。

たぶん、すごくがんばっても苦労に見合うほど速くはならんだろうな。 そもそも、日常出てくる値はそんなにデカくないことがほとんどだ。 eと計算量が比例することはむしろ有利かもしれない。 そして、expやらlogの中にはややこしい固定小数点乗算が10とか20とか入る。 定数乗算や定数除算は高速な命令があったり、乗算+シフトに 置換されたりするはずで、元々そんなに遅くない。 CPU命令を考えて機種ごとに最適化すればそれなりに差が出るかもしれないが、 どう考えても割に合わない。

弟。サイラムザではCEAを抑えられないのでどうにかせねば、 ということで、抗癌剤をたくさんやってる銀座の先生に相談する手紙を出すとのこと。 是非電話でおねがいしたいが。 それと並行して、肝臓以外のどこかにいるかもしれないのでPETを手配。 12/8とのことなので、結果が出るのは再来週以降だろう。 先週手配できればなお良かったのだが、今週できないよりはいい。 どうも主治医的には肝臓を放射線で焼く前に抗癌剤でやれるだけやりたいらしい。 放射線治療で抗癌剤が中断するのはマズいんじゃないか的な 懸念があるようだ。 しかし中断しないようにやってもらえるようかけあうことはできるだろうし、 別に放射線を最後の手段にしたいわけではない。 薬のダメージを減らすためにも、局所治療で済むものは局所治療で 済ませたいのだ。焼ける場所に目立って大きいものがあるのであれば、 それはつぶしておきたい。薬は全身に回るのでダメージがデカく、 使う量はできるだけ減らしたいのだ。 それに、違う病院での治療はそうそうすぐには始められないものなのだから、 先手を打っておかねばならない。 というわけで、どうにか来週福島に行って話を聞いておかないとマズかろう。 ひつじこがそれまでに入院していないことを祈るしかない。 つうか今日行けば良かったんだろうが。

会社の友達にすごいのもらった。アンパンマンのおもちゃ。 オタマとシノンよろこぶぞー。 なにせ普段youtubeでさんざん見て欲しがってる奴だからな。 だが、これを出すのはひつじこが入院した時が良さそうな気がする。 しばらく隠しておくべきか。


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