だだもれ

2015年03月31日

東京でちょっとキツいことを言われた後、 とにかくも地元の手術をしてもらった病院に相談してみるべく行ってみた。 これが3/30。

弟の主治医は、最初に紹介してもらったエラい先生でなく、 その弟子っぽい若い先生だった。 その先生の外来は火曜で、月曜には診察をやっていないので 明日来てくれ、と言われる。仕方ないかと思っていたら、 いろいろあって診てもらえることになった。

まず、病理の結果。肺は腺癌。胃からの転移だった。 胃から肺への転移は途中のリンパが汚染されていない以上血を通してしかありえない。 つまり、全身疾患であり、正真正銘のステージ4であったことが 確認されたことになる。

これは、ある意味では救いだったかもしれない。 もし肺が原発だったのであれば、9月時点で胃と食道を切っていれば 治っていた可能性が捨て切れなくなるからである。 私を含めたうちの家族は死ぬまでそれを後悔することになる。 とりわけあの時点で切らないという選択肢を提示した私は呪われて当然だ。 あの時私はそういう可能性があってもなお、 切らないという選択肢を弟に吹き込んでしまった。 あれ以来私はずっとその怖さに怯えてきたわけだが、 肺が転移であるとわかったことで、 あの時の選択が結果的には間違っていなかったと思うことができる。 何一つ先行きが明るくなったわけではなく、 そんなことで安心するのは許されないことなのだが。

しかし、9月時点では転移か原発かはわからなかったのであって、 食道全摘の侵襲に弟が耐えるという前提で考えるのであれば、 根治を目指す最良の選択は切ることだったのだろう。 今の状況は飲み込むことすら困難になるほどではないが、 噴門がなくなって逆流するということに関しては食道全摘と変わらない。 弟の精神と肉体が耐えられるのであれば早いうちに切れるだけ切った方が良い、 というのが常識的な判断だろう。 しかし当時は、小さくなって寝ている状況で転移が発生する率は低いこと、 侵襲の大きな手術をすれば、その後2ヶ月以上は肺が放置になり、 その間体が弱れば癌の急拡大を許すかもしれないこと、 などがあって、手術の先延ばしを選んだわけである。結局は決断できなかっただけだ。

結果的には、食道全摘によるダメージを負わずに済んだことは おそらく良かったのだと思う。 二度の手術を経ても、弟は起きて歩き、食べられている。 一日に2度かそこら逆流して吐いたり、 肺切をした側の手に力が入らなかったりはしているが、 数百メートル歩くくらいのことはできる。 数日のうちにはもっと回復するだろう。 食道全摘をし、さらにその後肺葉切除となれば、 どれほどの後遺症となったかはわからない。 そして、結局3月になって肝転移が出てきていたとすれば、 その時にやる抗癌剤は標準治療以外にはなかっただろう。 9月の時点で治療に突入していれば、他の選択肢など知ることはなかった。

しかし、やはり思う。あの時に切っていたら、 肝転移も起こらず根治していたかもしれない。 肝転移が9月以降に成立した可能性はゼロではないし、 全身に散っていても強力な抗癌剤で攻め立てた後に拡大手術することで 生還した例がゼロなわけではない。 遠隔臓器に転移すれば原発と周辺リンパ郭清をいくらやっても無駄、 というのが医学常識だが、それは「可能性が低い」ということでしかない。 絶対はないのが医学なのである。

ともかくも、抗癌剤治療は手術してもらった病院で、 手術してもらった先生にやってもらえることになった。 休眠療法で行こう、とのこと。 まずはオキサリプラチン+ゼローダでいき、 Her2検査の結果が出て陽性であればハーセプチンの使用も考える。 量はできるだけ絞り、とにかく肝転移が大きくならないギリギリの量で 継続することを考える。開始は4/6。 副作用軽減を狙って、クレスチンやピシバニールなどの 効くかわからない免疫療法も併用するそうだ。 この先生はその手の物を結構信じているのだという。 昔試した時には有意に副作用が減った印象がある、と言っていた。 「ステージ4は何でもアリだと思うんですよ」とのこと。 本当にありがたい。それならば東京まで通うこともあるまい。

肺が転移かどうかの確認をもっと早くやれていたらなあと正直思う。 肺のブラシ生検をがんセンターでやり直してもらえて、 それで「腺癌」の判定が出れば、話は全く違っていたはずだ。 これほど苦しんで選択をする必要はなかったし、時間を無駄にすることもなかった。 しかし、本当にそうだったらどうなっていただろう?

まず、早々に手術適応が外れ、「抗癌剤の標準治療で」という話になっていたはずだ。 術前化学療法同様に最初はハデに効いただろうが、 その場合は効果判定は1クールでは行われなかっただろう。 無駄打ちで体力を奪われていた可能性は高いし、 果たしてその状況で別の病院に逃げようという気になったかどうかはわからない。 それに、がんセンターの医師も化学療法の先に待つ結末をわかっていたからこそ、 肺が転移かどうかは曖昧にしたままで手術に持っていこうとしてくれたのだろう。 癌は切らなければ死しかない。それが医学常識だ。 ともかくも切ってしまえば生き残る可能性が出てくると思えば、 手術適応かどうかの判定を曖昧にしたままであってもとにかく切る ことが患者のためということになる。若いとなればなおさらだ。

弟の免疫力が抗癌剤の力を借りて癌に対して優勢になり、 じわじわと敵の勢力を削いでいく、というのが理想のシナリオだろう。 単に薬が良く効いて一時的に見えなくなっただけではダメだ。 いずれ確実に逆襲される。 本当にわずかづつ、じわじわと縮小していくような状況こそを目指さねばならない。 急に縮小するようでは、それは薬が多すぎるのである。 体にダメージがわずかでもあれば、 いずれそれが蓄積して敗北することになる。 どこまで減らしても現状維持を続けられるか、ということになるわけだ。 弟が体の状態をいかに良くできるかにかかっている。

オタマの皮膚が悪くなってきた。 のどがイガイガするようになったのと同時なので、おそらく花粉だ。

オタマもシノンも皮膚が弱いが、結構いろいろ違う。 オタマは何よりも傷の治りが悪い。内出血がいつまでも引かない。 皮膚が浅黒いのはメラニンが多いのもあるが、 作りが粗く陰影がまだらになるせいもある。 これらはひつじこから受け継いでいるように思える。 ひつじこは蚊に刺された傷ですら月単位で痕が残ることもあった。 しかしひつじこは一時桂枝茯苓丸を飲みまくっていたせいか 最近はそれほどひどくはない気がする。 であるならば、オタマも同様だろう。 「駆オ血剤で治るものはオ血」であり、オ血と仮定する。

傷の治りが悪い時には黄耆を使うらしいが、 黄耆を云々する前にこのオ血をどうにかせねばならない。 四物湯から胃に悪い地黄を除いた、川キュウ、当帰、芍薬に、 桃仁、牡丹皮、紅花を加え、胃の保護に生姜、大棗、陳皮、甘草あたりを 加えた、そんな方剤があれば良さそうだ。 そんな都合のいいものはあるか? そう考えると、キュウ帰調血飲第一加減あたりが良さげに見えてくる。 では使いやすいエキスはあるか。一貫堂なので小太郎から出ているが、 玄人向けで普通には買えないし、買えたとしても高い。

当帰芍薬散+桂枝茯苓丸+紅花だな。胃は大丈夫だろ。 桂枝茯苓丸はツムラエキスを買う。 これを、当帰芍薬散と紅花を軽く煮た汁に溶かし、 ハチミツで甘くして飲ます。 まずはしばらくやってみよう。アザが綺麗に消えるかを見る。 あとは引くまでの間痒み止めが欲しいが、それは皮膚科行って ザイザルもらえばいいな。 加えて十味敗毒散を買っておいて、痒みが強い日には足そう。

というわけで、漢方薬局に注文。金使いすぎな気もするが、 やれる時に実験しておかないといけないし、 これ以上オタマの皮膚を悪化させるとひつじこが過労で倒れる。

シノンはどうしたものかな。シノンは皮膚の透明感もあり、白い。 たぶんオ血や血虚の度合いは低い。 しかし、皮膚が薄い。保水力に劣る。 その意味では血虚ではあるのかもしれないし、 考えようによっては気虚とも言える。 現状持ちこたえているので効果が不確かな漢方に頼るレベルではないが、 やるとすれば当帰芍薬散+玉屏風散か。 散が安く手に入るので、煮て漉して飲ませればいい。それほど手間ではない。 粉は私なりひつじこなりが飲めばいいし。 でもまあ、まだいいだろ。そんなに手間はかけられない。 オタマは説得すれば飲んでくれるが、シノンに説得は通用しないのである。

あ。ymobileのサポートコインが13日で消えてなくなる。 5000円分くらいあって、機種変更に使えるのだ。 スマホにするならその前にしようと思っていたが、さてどうしたものかな。 そんなことを考えている心の余裕は正直ないのだが、 心の余裕がない原因である例の件に関しては、 移動中にwebが見られるとだいぶ楽になるのである。 digno-tという機種ならタダらしいが、さてどうしたものか。

両親は老後のことをそれなりに考えていたようだ。そりゃ考えるわな。 ましてこんな状況だ。 最終的にはどこかに入ることになるんだろうと思ってはいるようである。 幸いにして年金はそれなりな額っぽいので、 経済的には大丈夫なんだろうと思うが、 癌治療に相当食われることを考えるとあまり安心はできない。 私も給料を増やすことを考えた方がいいのかもしれんなあ。 子供もう一人増えるかもしれんし。 今やってることで成果出して昇進を狙う、というのがまっとうな道なんだろうが、 正直キツい。

とにかく、両親には健康でいてもらわねば困る。 弟の件でどれだけ癌が厄介な病気かはわかっただろう。 80過ぎてからならまだいいが、60代70代でかかれば それなりにあがくことになり、同じように大変な思いをすることになる。 「治療なんてしないで大人しく死ぬ」とか母は言っているが、 いざそうなった時にも同じことが言えるとは思わないし、 私を含む周りがそれを許すはずもない。 なんとしても予防してもらおう。 父は禁煙させたいし、母は高脂血症をどうにかしたい。

2015年03月30日

28日に抗癌剤をやってくださる医師の所の初診。 しかし、CTで肝転移がほぼ確実となり、 抗癌剤はやるとすれば終生となると告げられた。 それがどれくらいかはわからない。半年生きていないかもしれない。 5年生きるかもしれない。どうしますか、と。 あまりにも重い「どうしますか」だった。 容易には答えられなかった。

週一、あるいは隔週、月一、と抗癌剤のスケジュールは選べるが、 いずれにしても東京まで通うのは簡単ではない。 地元の手術を受けた病院で治療できるなら その方がいいのではないか、というお話。

2015年03月27日

会議は最小限にすべきだと言われる。短く終わらせろ、人を減らせ、 目的を持ってやれ、コミュニケーションを会議でやるな、等々、 会議に関しての言説は多い。 さて自分が会議を開く側になってみて、 話がなかなかに厄介なことを知った。

会議で発言するのはせいぜい3人か4人だ。 それ以上の人数がその場にいることは基本的に無駄である。 しかし、発言しない人を会議から除外して良いかどうかは、 人心の問題もあって簡単ではない。 また、発言しない人を発言しない人のままにしておくことは、 長期的には良くない。 聞いているだけなら結果報告で良い、というのも必ずしも正しくない。 結論だけを文字で読むのと、その場で議論を聞くのでは情報量に雲泥の差がある。 ただしもちろん、聞いているだけの人がその情報量を受け取っているかどうかは 場合によるし、それだけの情報量を受け取ることが仕事を良くすることに 結びつくかどうかも場合による。

決定権が誰にあるかがはっきりしていれば会議はそれほど必要ない、 という意見がある。その人が決めれば良く、決定を伝えるだけなら会議はいらない。 意見を聞きたければ個別に聞いて回ればいい。 それぞれの人にはっきりした担当があって、 他の人とのやりとりをさほど必要とせずに仕事でき、 その出来栄えが全体に与える影響が小さいならば、 独裁に近い方が事はうまく回る。 しかし、個々が「そもそも何のために仕事しているのか」 を考えて仕事をしないとダメな状況になってくると、独裁は危険だ。 人が育たないとかそういう話以前に、まともなモノが出来ない。 リーダーがかなり細かいところまで設計して、 さらにはサンプルの実装くらいまで一人でやり、 メンバーは穴埋めをするだけ、 というくらいであればいいが、 リーダーの体が持たんし、それをすると未来がなくなる。

しかし、構成員の立場からすれば、会議が長いのは鬱陶しい。 「オレには関係ない」と思うのは自然なことだ。私は長年そう思ってきたわけで、 他の人がそう思わないとは思えない。 会議に意義があると思っても、 それを納得させられないならば、やはりその会議は有害だ。 しかし、だからといって何もやらないでいると、 何かがバラバラになる。

仕事はいくつかの条件を満たしながら行われねばならない。 客が喜ばないといけない。 組織が存続できないといけない。 そして、構成員が成長できないといけない。 最後のは別に贅沢でもなんでもなく、 成長しないとより高度なものが作れないので、 客を喜ばせられなくなり、結果滅びるのである。 教育を贅沢と言えるのは、人材をホイホイ持ってこられるより贅沢な状況にある 組織だけだ。もうかってない会社にとって人材を得ることは簡単ではなく、 そこにいる人間をどうにかしなければ未来はない。

かなり根本的な所から見直さないといかん。 私がしゃしゃり出てリーダーごっこを始めてから、二人が会社を去った。 後悔はしていないが、もっとうまくやれたかもしれないとは思う。 もっと気づかえたかもしれない。 思い出せばいくらでも後悔が湧いてくる。 自分では無理なんじゃないかとも思う。 なんでこんなことを始めたんだろうかとも思う。

ここ2週間くらい自分でコードを書いていて、 その楽さ加減に驚く。何のストレスもない。他人のコードには極力依存せず、 必要なものが出てきたら全部自分で作る。 どんどん物が出来る。 以前書いたことがある種類のものでも、 以前よりもずっと上手に作れる。 昔は思いつかなかったやり方を思いつく。 昔は知らなかった知識を応用してもっといいものを作れる。 こんなにも自分が育っていたのかと思う。 2週間かそこらで1万行くらい書いた。 出来たものをメンテすることまで想像すると気が重くはなるが、 それでもなおリーダーごっこをするよりは遥かに楽だ。 成果が出るかどうかわからないリーダーごっこなどしているヒマがあったら、 コードを書いてモノを作った方がいいように思えてくる。

しかし、たぶんマズい。 つまるところ問題は、チーム全体として成果を出すのにどうしたらいいか、 ということを考える時間が激減したことだ。 そこが頭の中でどうでも良くなった結果、 チームが今どうなってるかさっぱりわからなくなっている。 それぞれの人が今日何をしていたか、ということが全くわからない。 管理職は1/4以上の時間を管理に割くな、 みたいなことがドラッカーに書かれていたかと思ったが、 その時間で必要なことができるようになるには経験が必要な気がする。 確かに何かルールを作れば多少は助けになるだろう。 例えば「朝来たらチケットを全部なめて必要ならば話を聞きに行く」 とすれば、見落としはなくなる。 しかし、コードを書いていると、 そういうルールを設定すること自体が馬鹿馬鹿しくなる。 だってコード書いてりゃモノができるわけで、 何も出来ないでただ考えたり人に話聞いたりしてるよりよっぽどマシだろと 思うのは自然なことだ。

コードを自分で書くことに限界を感じていればまだ良かったんだよな。 それならリーダーごっこをする以外に道がないと確信できた。 しかし、私は今のところ、自分の能力に天井を感じていない。 やっぱり私はコード書いた方が貢献できるんじゃないのか?

たぶん、ここで踏み留まれるかを試されているんだろう。 同じことは弟の癌についても言える。 自分が得意でやれるとわかっていることの範囲で貢献する、 という方が確実なのだが、私はそこから踏み出してしまった。 たぶん去年から今年にかけてはそういう時期なのだと思う。

今日は会社PCの移行で丸々潰れた。 そして、まだ全く終わってない。おそらく数日かかるだろう。 なにせ500GBとかのデータをコピーせねばならず、 メールやらブラウザのブックマークやらの移行もある。 コピーしている最中にアクセス制限にひっかかって失敗したりと、 よくわからないことも起こる。 ディスクイメージ化する手を使うことでようやく目処が立った。

これほど生産性がない作業も珍しいが、 PCを買ってくる所から自前の会社も多いと聞くし、 それよりはマシか。

前にいた部署ではメーラはthunderbirdが推奨されていた。 なのでそれを使っていたのだが、 標準で入っているものがあるのにわざわざインストールしてまで 使う理由がない。なので何もしなくても入っているoutlookを使うことにした。 だが、thunderbirdにはメールをエクスポートする機能がない。 emlXtractorというソフトで変換してoutlookにつっこめばいいらしいが、 なんだこの面倒くささは。 しかもソフトのインストールはこれから一つづつやるわけだよな。 「あ、まだこれ入れてなかった」的なことがちょいちょい起こるのだろう。

動いてる状態のPCのHDDをそのまま新しいのにコピーして使えないものなのか? 普通にできそうな気がするんだが。

VHDを作って移してマウント。これでまず古いPCのデータを全部抜き出すことはできた。 ドライブごとに作ったのだが、マウントの時にエラーこくわ、 無孔なドライブがたくさん出来て面倒だわで、イマイチいいことがない。 しかしその方が安全というのは確かにそうだろう。 一つのVHDファイルがあまりに大きくなるのも問題だろうし。 でも、せめてこの使えないドライブは消えんかな。消していいんだろか。

弟と電話した。そこそこ元気そうに聞こえたが、 逆流が一日1,2回起こるのに難儀しているという。 しゃっくりと同時にやってくるのだそうだ。 噴門側切除では腸をつないで弁もどきを作ることも行われるが、 弟の場合は極力ダメージを減らすために余計なことは一切しない手術だった。 噴門がない上に、食道下部を切ったために胃が持ち上がっており、容易に逆流する。 食道癌の胃管再建よりはマシにしても、似たような後遺症を持って 生きていくことにはなってしまったわけだ。 とは言え食べることはできており、 体力も多少は戻ってきたらしい。 数百メートル先のコンビニまで歩いていくくらいのことは難なくできる。

さて、明日は東京に来て抗癌剤の先生の初診となる。 以前セカンドオピニオンでお話を聞いた感じでは、頼り甲斐のある先生に思えた。 まさか明日いきなり抗癌剤の点滴ということはないと思うが、 TS-1を処方されて飲み始めるくらいのことはあるかもしれん。 体を害さない範囲でやれるならば、始めるのは早いほどいい。 まだリンパにたくさん残っているのだからな。

2015年03月24日

弟退院。抗癌剤治療は東京の医師に面倒を見てもらうことになった。 土曜に初診。どういう方針になるんだろう。 いわゆる標準治療とは違った匙加減でやれる先生なのだが、 再発予防の標準的なやり方を選ぶ方が効果が高ければそうなるだろう。 胃癌の場合はTS-1を1年から3年というのが普通だ。 イリノテカンを定期的に点滴することもある。

まだ抜糸が残っているが、その先生にやってもらうそうだ。 元外科医なら当然できるはずとのこと。

病理検査の結果はまだ出ないらしい。気になる。

Sunabaの韓国語と中国語対応。 とりあえず小さなプログラムが動く状態にはした。 メッセージ類は日本語のままで、そこが一番面倒くさい。 しかし物量の問題なので、やってやれないことはないのだろう。 問題はもっと細かいことだ。 それぞれの国でメジャーな文字コードのファイルを読み込んだらどうなるか? おそらくアウトだ。SJISとUnicode、UTF8しか対応してない。 危険を避けるには海外向けではSJIS対応コードを捨てた方がいい。 Unicode、UTF8のみとした方が安全だろう。 あとは、海外のwindowsで動かした時に何が起こるかもわからない。 そして最大の厄介がmac版だ。 なにせ自分でビルドできんからなあ。

IT系ほど代替療法へ行く、というのはそうかもなあ。 要するに、医学から遠い所にいて医学上の常識がよくわからんくせに、 調べること自体には慣れているので情報を集めまくる。 結果引っかかってくるのは代替療法だ。

オタマが花粉のせいか気温が上がってきたせいか痒がる。 三日ほど十味敗毒湯を試していたが、どうも飲んでいる時には それほど痒がらなかった気がする。 ザイザルシロップも併用していたので、効いたのはそっちかもしれないが、 一緒に試したひつじこも十味敗毒湯で痒みが引いた気がすると言っているので、 効くのかもしれない。 三日分しか買わなかったが、もう少し継続してみてもいいだろう。 なお、今日はだいぶ痒がった。

十味敗毒湯は、消炎薬、発汗薬、胃薬、血行促進薬、 といったあたりがいい具合に混ざっている。 風邪薬としても使えるだろう。葛根湯は寒気がある時にしか使えないし、 麻黄が入っているのが厄介だが、 こっちは喉が痛いとか、頭痛がするとかいうもっとありがちな症状で使える感じだ。 胃も悪くしない。大量にストックしておいても使い勝手がいい薬かもしれない。 ただ、咳止め効果は弱いだろう。風邪薬としては半夏か杏仁が欲しい。 別に生薬で買って足せばいいんだろうが。

参蘇飲は総合感冒薬と言われるのだが、たぶん人参が余計だ。 そんなに虚してない。ないよりあった方がいいが、それで値段が跳ね上がるのが問題だ。 なにせ500gで1.5万とかになる生薬だ。安いのは1500円とかである。 また、小柴胡湯は寒気がない微妙な感じの風邪に使えるのだが、 こいつも人参のせいでコストがバカ高くなっている。 虚してなければ人参を去る、と文献にはあるのだが、 抜いたら安くしてもらえるんだろうか。 柴胡、黄ゴン、半夏があれば、弱い炎症と咳は抑えられるのだから、 大柴胡湯去大黄でほぼほぼ足りる気もする。こっちの方が安い。 枳実が余計かもしれんが、それで弱る人間は今のところうちにはいない。 大黄を別添えにしてもらえればかなり便利な処方になる。

オタマのいとこに大きなアザがあって治したいらしい。 アザが色素沈着なのか、内出血由来なのかで話が違うが、 桂枝茯苓丸加ヨクイニンとか、当帰芍薬散加ヨクイニンとか、 そんなんでそれなりに改善したりしないだろうか。 うちの子じゃないので試せない。やるとしても、費用はかかるし、 不確かだし、なにせマズいから続けにくい。

今日のお昼は公園でオタマとピクニック的な感じにお昼ごはん。 桜はもうすぐ咲きそうだ。 自分一人なら桜などどうでも良いが、オタマやひつじこがいると意味が違ってくる。

帰った直後、やけに鼻水が出た。花粉だろうか。

毎日丹参と紅花を煎じて飲んでいるが、足の細絡はまだなくならない。 薄くなっている気はするのだが、主観だから怪しい。 写真を撮ってもちゃんと写らないし、光の状態を合わせるのも難しい。 でもまあ写真を撮るべきだろう。 そういえば、ここ数ヶ月いろんな漢方を適当に飲みまくっているわけだが、 ひつじこによれば頭の毛が増えてきたらしい。 自分では見ていないのでわからないが、本当だといいなあ。 しかし、何が効いたのかは全くわからない。 量的には余った十全大補湯を大量に飲んでいたので一番疑わしい。 あとは八味丸とか桂枝茯苓丸加大黄とかは比較的期間が長かった。

右小指のこわばりがまだ取れない。紅花と丹参で取れてはくれんものか。 紅花は50gで400円、丹参は50gで400円。一日に2gづつ飲むと、 月1000円くらいになる。まともな方剤だと一日200円とかになって高コストなので 生薬単位で適当に混ぜて飲んでも効くならその方がお買い得である。

宮崎製作所の十得鍋の一番小さい14cmのを買った。主に漢方薬用。 取っ手をつけたり外したりしないといけないのは不便じゃないかと心配したが、 そうでもない。省スペースであることの利点の方が大きい。 16cmのも欲しいな。それなら1.6Lなので一日分の茶も作れる。 しかしそれ以上大きいものは取っ手の堅牢さに不安が あるのでやめておいた方が無難だろう。 一定以上大きくなれば、ジオプロダクトの方がおそらく良い。

近頃お金を湯水のように使いすぎている気がするな。 まあ交通費だけでもエグいので仕方ないと言えば仕方ないんだが。

コード書いてると他人が何やってるかなんて全く見なくなる。 そらそうだ。そうなるって。 そしてその楽なことと言ったらもう。 これ、もう一週間このままだったらかなりヤバいな。

テトリス本を読んだ人のブログに「y'という変数を作ろうとしたらはじかれた」 という記述があった。「'」なんて使っちゃダメなの当然だろ、 と一瞬思った私が愚かだ。Sunabaではその文字は特別な意味を持たせていないし、 そもそもそんなものが常識だと思っていること自体が愚かしい。 読者は大半Cなんて知らないのだ。 そういうわけで合法化する改造をして上げたのだが、 その時に@や$はすでに使えるように改造した後があるのを見つけた。 なぜ「'」が漏れたんだろう。先入観があったに違いない。

将来の機能拡張の可能性を考えても、文字定数を入れることはまずありえん。 文字列リテラルもほぼありえんだろうから"を入れてもいいんだが、 あまり使いたくなる状況が思いつかない。しかしy'は非常にありそうで、 できないのはストレスだろう。

弟の筋肉量が激減。タニタの機械で50%近かったのが42%まで落ちた。 体脂肪率は激増。最盛期18%を切っていたのが21%まで戻った。 さすがに合計1.5ヶ月もベッドで寝てればそうなるか。 できるだけ歩いて欲しかったし、 先進的な病院では追いたてるように歩かせるそうなのだが、 まあそこまでは望むまい。 これから歩けば済む。 体重は59kgまで落ちたが、これは悪い痩せ方だ。

しかしまあ、高校時代90kg超、去年の4月には83kgあった弟が、59kgだ。 1年で24kg痩せたわけで、これはすごいことだと思う。

アドラーの「人はなぜ神経症になるのか」。まだちょっとしか読んでない。 なんか読みにくいが、内容はおそろしく刺さる。

2015年03月20日

プログラミング能力への需要はどう変わっていくのだろうか。 特定の分野の知識でない、総合的なプログラミング能力だ。 それが低くても価値を産み出せるなら、需要は下がる。 Unityのようなものによって特定の分野の知識は不要になるが、 それに留まらず、根本的なプログラミング能力への需要も減るものだろうか。 やりたいことを記号論理に変換する能力が減じても 同じものが作れるようになるならば、 それはプログラミングへの需要が減ったということになる。

プログラミング能力の必要性はどのような条件が整えば減るか。 まず、作るものが減れば減る。すでに用意してあるものが増えるほど、 作る物の量が減る。作る物の量が減れば、それだけ把握しやすくなるし 到達しやすくなるから、さほどの能力がなくてもどうにかなる。 しかし、用意されているものが増えれば、その分だけ別のものを 作るようになるだけで、作る物の総量は減らない気もする。 次に、デバグが便利になれば必要な能力は減る。 デバグは仮説を立てて検証することの繰り返しであり、 脳に負担をかける作業だ。変数が見られたり、ブレークポイントを置けたり することは、必要な仮説の数を減らす効果がある。 printfしかない時には「仮にこうなのであれば、こうであるはずだ」という論理を 10個積まないといけなかったのが、ブレークを置ければ7個になる、 といった感じだ。便利であるほど要求される能力は減る。 しかしそれはそれとして、そこで労力が減った分だけ作る物は大きくなり、 大きくなればデバグの量は増えるのではないか。

ピザが1000円、コーラが100円。ここでピザが半額になるとどうなるか。 みたいな問題なのだろうな。ピザを2枚買うのか、1枚のまま総額が減るのか、 コーラが増えるのか、減るのか。必ずしも明らかではない。 何か改善されてある工程のコストが下がった時、 コストを下げるのか、コストを下げずに品質を上げるのかは選択次第だ。 また、難しいことをしなくて済むようになって人材調達コストが下がっても、 人材を入れ換えられないのであればコストは下がらない。 C++でバリバリ書けるオッサンが多数いる状況でUnityを入れてコストが下がるかは 明らかではない。素敵なライブラリが難しい処理を肩代わりしてくれても、 そこにそれを書ける人がいるならあまり変わらない。 また、より安い人材を使えるように なったとして、それで良い製品を作れるのかもまた明らかではない。

うん。嫌なものは嫌だな。能力がなくてもいいようにしよう、という考え方は嫌いだ。 人海戦術は嫌いだ。人間はもっと大事なものである方がいい。 それぞれの個性が活かされる方がいい。 であれば人間は鍛えなくてはいけない。 しかし、鍛えるために効率が落ちれば、鍛えることは正当化されない。 短期で見ても鍛えることに利益があるようにしないと納得されない。

2015年03月19日

ひつじこ両親、痩せんなあ。体脂肪率の低下が月1%というのはいかにも遅い。 糖質制限が甘いか、代謝が落ちたか、脂質や蛋白を食べすぎているか。 減量は最終的にはエネルギー収支で決まるので、 入るものが多いか、出るものが少ないかのいずれかであることは間違いない。 サンザシの代謝活性化効果に期待したい。

血糖値の単位はmg/dl。g/lに直すには、100で割れば良い。 つまり100くらいの人はリットルあたり1グラム程度、ということになる。 血液は4リットルくらいなので、血中のブドウ糖はたかだか4グラム程度だ。 脳は一日に400kcal程度のエネルギーを消費し、 これはブドウ糖100gに相当する。1時間あたりにすると4g程度だ。 脳以外の器官にとって主要なエネルギー源が脂肪であると仮定し、 血糖を全て脳が使ったと仮定すると、血中の糖は1時間かけて置き換わるくらいの 速度で代謝されていることになる。 そこでおにぎりを一個食べると40gの糖が血中に一気に流れ込む。 10時間分だ。これは体の恒常性を損なうに十分なので、 体はインスリンを出して血糖を脂肪に変換して除こうとする。

「脳以外の器官の主要エネルギー源は脂質である」 という仮説が正しいかどうかで糖質制限の正当性は大きく左右される。 草食動物は糖質で、肉食動物は脂質、などと言う人がいるが、 それはたぶん間違いだ。 草食動物は糖質を細菌によって短鎖脂肪酸に変換させ、それを食べている。 主たるエネルギー源は脂質だろう。 人類の設計上のメインエネルギー源は一体何なのだろうか。 糖を食えるようになったのはおまけ機能なのではないかと私は思っているが、 本当のところはわからない。

2015年03月18日

漢方びいきの人間的には、体に強い衝撃が加わった時には治打撲一方。 腱鞘炎や筋肉痛にも効く。 病院でツムラのエキスを出してもらえれば一番安い。2倍量飲む。 ただ、出してくれる医者を見つけるのも面倒だし、 そもそも常備しておきたいので、私は自分で買った。

弟は今日も元気に食べているようだ。 頑丈でよかった。 しかし、やっぱりだからこそあれだけの癌を宿してしまったのだろうなと思う。 私ならそこまで体を酷使する前にダウンしているんじゃなかろうか。

「虚証は癌になりにくいし、なっても治りやすい」 と言う漢方医がいる。貧弱だと癌ができるほど劣悪な体内状態になる前に へばって動けなくなるし、病気になるにしても他の病気にかかるのだそうだ。 ここで「治りやすい」というのには注意がいる。 西洋医学の治療は日本漢方の言う虚実などにおかまいなく 手術、放射線、抗癌剤という猛烈な瀉法をやるので、貧弱な人間には耐えられない。 その意味では治りにくいと言える。 しかし、ステージ4全身転移みたいな状況になって 漢方以外に手がない状況に追い込まれた時の治りやすさで言えば、虚証の方がマシ、 という程度の意味だろう。体が弱ければそれだけ弱い癌にもやられてしまうわけで、 癌が弱いならば体を強くすれば勝てる、ということになる。あくまで理屈の上でだが。 何にせよ漢方オンリーで治療するような状況には陥りたくないので、 とにかく癌にはならないようにしたい。

弟の癌は、漢方風に言えば、「相当に強い邪」だ。 中分化腺癌という診断だが、抗癌剤の効き方からして 分化度は低い方なのだろう。分化度が低いほど薬は効くが、 転移はするし増殖は速い。移動しやすく広がりやすい。 薬が効くとは言っても、遺伝子が不安定なので、耐性がつくのは速い。 免疫に対する抵抗性もつきやすい。 膵癌、小細胞肺癌、などのように本当に最悪なものよりはマシだが、 十分に悪夢である。

ただ、生物には「予算」ともいうべきものがある。癌細胞もおなじだ。 遺伝子の量、使える資源、といったものは有限であり、 それは他の種類の癌細胞や、正常細胞とも大差ない。 したがって、「攻撃防御共に全方位で最強」という癌細胞はありえない。 癌細胞には必ず弱点があるはずだ。 しかし、諸々の事情によりその弱点をつけないので治せないのである。 例えば弱点としては、遺伝子の損傷を治せない、ということがある。 だから抗癌剤や放射線のようなストレスがかかるとすぐ死ぬ。 また、酸素を使えないので ブドウ糖をバカ食いせざるを得ず、エネルギー効率が悪い。 エネルギーが足りなければ分裂はままならないし、維持すらできない。 しかし、周りとの協調を考えなければエネルギーは周りにいくらでもあるし、 エネルギーと材料さえあれば、損傷でいくら死んでも それ以上に分裂することでチャラにできる。 損傷が起こりやすいことは薬剤抵抗性を得やすいという長所につながり、 なおさら撲滅しにくい。 さらに、すぐ変異するので細胞が多様で、弱点もバラバラになる。 そういうわけで、 言うならば弱点が多い癌ほど治しにくいという不思議なことが起こる。

分化度が低いがんとして、血液のがんがある (固まりを作らないものは「癌」とは言わず「がん」と言う)。 血液のがんは転移もクソもなくそこら中を流れていくし、増殖も速いのだが、 こいつは固まらない。固まると周囲に圧をかけて臓器を壊すし、 中まで薬が届かず薬では殺しにくくなるから、固まる方が厄介だ。 そういうわけで、血液のがんは薬で治せる公算が高い。 例外的に、精巣腫瘍のように固く大きくなる割に薬で治しやすいがんもあるが、 数は少ない。「さよならタマちゃん」はその意味ではあまり参考にならない。

癌治療に関して技術革新が起こるとしたらどんなのだろうな。 免疫関係は望みがあるが、たぶん「邪が弱い」癌がメインになるのだろう。 生物には予算があり、個体が免疫に割ける予算には限りがある。 たまたま免疫にあまり予算を回していなかった人なら改善の余地もあるが、 潤沢に予算を割り当てていたにも関わらず癌に負けた人は望みが薄い。 もちろん、「たまたまうまく癌を識別できなくて免疫がスルー」 みたいなケースを拾える可能性はあるが、これだけで何もかもというわけには行くまい。 放射線は粒子線の方面はコストダウンが望めないので難しかろうが、 コンピュータ制御でのX線/ガンマ線照射にはまだ未来がある。 ただ、それは殺傷力の向上というよりは、 多数の病巣を自動制御で焼く方面だろう。 正常細胞を巻き込む度合いを軽減するのには限度があり、 放射線の害を軽減するのはおそらく難しい。 手術に関しては、あるとすれば「劇的に侵襲が小さく、 機械化自動化された手術」だろうか。 たとえば1mmくらいのロボットが体の中を回って癌を焼いて回るようなことが できるならば、何十何百と転移があっても、一つづつ始末できる。 つまるところ癌治療というものは癌細胞が増える速度より速く殺せれば勝ちなのだ。 転移があると手術できない、というのは、 手術で巻き添えになる正常組織のダメージが大きく、 コストかかりすぎるからだ。コストには、時間やスキルも含まれる。 ダメージを抑える技術は開発されてきているが、今はまだ不十分だ。 開腹手術から腹腔鏡手術に移行することでダメージは減るものの、手間は増える。 人間が一箇所一箇所やる限り劇的なコストダウンはできない。 しかし、もしダメージと手間が減れば、「姑息手術」とか「減量手術」と言われて 嫌がられる類の手術でも延命のために気軽にやれるようになるだろう。 今でも、大腸癌の肝転移なんかは出てくる度に 電極をつっこんで焼く手術が行われているわけで、 それが極端に進化した姿が 「自動的に5mmを超えた癌を焼いてくれるロボット」ということになる。 治らないが、それでもそう簡単には死ななくなる。 この自動化の路線では放射線が先を行くだろう。 PETで光った所を自動で焼くような装置は作れるかもしれない。 目的を根治でなく延命に振れば、副作用がほぼゼロになるような当て方で 延命を狙うような方向性も出てくるかもしれない。抗癌剤を少量使って効くなら、 放射線だって少量でも効くのではなかろうか。

時間稼ぎは癌治療の基本戦略だ。今後数年に限れば、 分子標的薬の進化が一番見込める。 だが、問題は金だ。特許が切れるまでは月数十万にもなる値段で、 国家財政の問題もあってそうおいそれとは保険適応にならない。 減量したり、間隔を伸ばしたりして許容できる額に抑えても 生き続けられるようにしないと辛い。 そういうこともあって、金は温存しておかないといけない。

とりあえず直近で影響があるのはハーセプチンだろうか。 弟にはほぼほぼ効くことがわかっている。 特許はおそらくすでに切れており、 どこぞが後発品を開発すれば価格が下がる。 ただ抗体ベースの薬はそもそも製造コストが高いし、 点滴なので病院に払う技術料その他がかかり、そう安くはならない。 なお、ちょっと前までは保険が効かない状態にあったが、 今なら効くかもしれない。それでも高いんだが。

ハーセプチンの費用はすごい。 150mgで57515円。3週間ごとに、体重キロあたり6mgが標準。 体重60kgであれば360mgで、これはおよそ13万円にあたる。 4/3倍すれば18万円。月18万円だ。保険が効いても5万を超える。 生きている限りこれが続くとすると相当キツい。 特許が切れて後発品が出てくれば多少は安くなるだろうが、半額まで下がるかどうか。

ハーセプチンはHer2という蛋白質が出ている細胞にフタをして 栄養の取り込みを邪魔するとともに、免疫細胞が攻撃する目印を作る。 このHer2蛋白質は周囲からエサを取り込むのに使われる蛋白質で、 これがたくさん出ているということはエサを食うのが速いということである。 ハーセプチンがなかった時代、この蛋白質をたくさん作る癌になった人は 本当に悲惨だったという。とにかく増殖が速いのだ。 しかし、この薬のおかげで事態は一転した。 癌の弱点をうまくついた一例と言える。 これからもそういう薬はたくさん現れるだろう。 なお、そのような蛋白質なので、それがたくさん出るタイプの癌である弟は、 ハーセプチンを使わないのであれば甚だ不利、ということになる。 できればこいつを使ってから手術して根治を狙いたかったのだが、 保険は効かないわ肺がヤバいわで、手術を先にしたのである。 しかし、いずれ使う時が来るだろう。

2015年03月17日

16日、弟の肺手術。 東京から胸腔鏡手術をやれる人を呼び、 さらに機械まで手配したという。追加料金も払ってないのに そんなことしてくれるのかと思う。たぶん病院として経験値を積みたいとか、 そういう思惑があったりもするのだろう。

1440ごろ開始、1640ごろ終了。 家族で手術室に呼ばれ、ゴロリとした肺を断片を見せられた。 数百グラムありそうなサイズで、 最初期待していたような部分切除ができなかったことが一目でわかった。 肺葉切除ですね?と聞いたところ、 若干残っているがほぼ肺葉切除とのことだった。 残った部分に機能があるのかはちゃんと聞けなかった。 左肺上葉なのだが、腫瘍の位置が思ったより下の方だったせいで 区域切除では取り残す危険があると判断したのだという。 それが妥当な判断なのかはわからないが、 切除してしまったものは仕方ないし、医師を信じる他ない。 ともかくも、綺麗に取れた、とのことだった。 左肺上葉がなくなると、呼吸機能は80%以下まで落ちる。 しばらくはかなり苦しいだろう。 最終的には他の部分が補うことで元の90% 程度までは戻ると言うが、実際どうなるかはわからない。

昼休みの後メールで状況を聞いてみた。 普通に食えてるらしいし、痛みも大丈夫と言える範囲だそうだ。 本当頑丈な奴だと思う。 ただ、まだ呼吸補助器具らしきものがついていて、 いきなり呼吸訓練やら歩行訓練やらということにはなっていないようだ。 翌日から歩かせる病院が増えているので、 もしかしたらそのへんは遅れているのかもしれない。 しかしまあ、補助器具はあさって取れるというし、 目くじら立てるほどのことではないだろう。

弟の胃手術後の初CEA測定結果が出た。2.4。 正常範囲は5以下だが、 正常者の中央値は0.8-1.1程度なので、まだまだ異常の臭いがプンプンする値である。 3/12の検査で、手術が2/17だから、 十分に時間は経っている。CEAの半減期は7日だから、 1/16までは落ちている計算だ。 さて、肺由来のCEAがおおよそ消えるのに 3週間と考えれば、4月10日くらいにまたCEAを測ればいいのだろう。 それでもし落ちていなければ、肺は転移ではなく独立した癌である可能性が高い。 それ自体は吉報だが、2.4までしか落ちないというのはかなり嫌な気分だ。 体に潜んでいる量がそれだけ多いということだからである。 一方派手に落ちるようであれば、肺が胃と同じ出自の癌である可能性が残る。 転移であるとなれば、全身に散っている確率は上がる。 しかし、来週には病理検査の結果が出るはずで、 それでおおよそはわかるだろう。 顕微鏡で見て胃と似ているか似ていないかで、おおよそはわかる。

全然仕事に集中できねえ。

前からわかっていたことだが弟の癌は状況が悪い。 胃を切った時に周囲のリンパ転移がひどいとわかったことで、 状況はさらに悪くなった。 そんな状況でも本人や家族が不思議に正気を保っているのは、 すがるものがまだ残っているからだろうか。 私は漢方に多少なりとも期待しているし、糖質制限が効いているという思いもあるし、 ピシバニールが効いているのかもしれないという話になったりもしているし、 今後の化学療法にも当然期待している。 だが、これら全てが無効とわかった時の絶望はどれほどだろうか。

他に使える代替療法はないかなあ。そう思って探していたところ、 二つほど可能性があるものが見つかった。 がんワクチンと温熱療法。 再発予防と、抗癌剤の効果増強、といった程度のもので、 そこにあるとわかっている癌を直す治療ではない。 はっきり言って、毎日ヨガを1時間やる方がよほど効くような気がする。 しかし、弟に毎日ヨガを1時間やらせるのは 相当に大変だし、ヨガをやれたとしても追加でやって悪いことはない。 副作用もほぼない。 「害がなく許容できるコストなら何だってやる」という基本方針からして、 残る問題は費用だけだ。 がんワクチンは150万、温熱療法は2ヶ月あたり2.7万。 これを高いと見るか安いと見るかは 人によるだろう。

がんワクチンは一回きりであり、うまい価格設定だと思う。 普通に収入がある壮年以降の人であれば、これくらいは払うだろう。 他の免疫療法だと20万が毎月、みたいな感じで蟻地獄感があり、 それに比べると相当マシだ。 しかしそれでも額が額なので躊躇はしてしまうな。情報を集めよう。 一方温熱療法は保険が効くので、 結構安い。そして保険が効くので、他の治療で高額医療費の閾値を超えるような状況なら 実質タダになる。その場合は積極的にやるべきだ。 そういう状況でなければどうか、となると若干難しくはなる。 まあ、抗癌剤をやってくれる医師に相談しよう。

がんワクチンについては、手術で取った細胞が必要だ。 「取った組織捨てずに取っておいて、将来がんワクチンとかが使い物になる 時代が来た時に使うから」と医者に言っておいた方がいいな。 今やらないにしても、何年かして進歩した時に後悔するのは困る。 しかし、仮に「じゃあ持って帰れ」と言われたらどうするんだろ。 ホルマリン漬けの胃と肺を年単位で冷蔵庫に入れておくというのか? まあそれが必要ならそれも仕方ないだろうが。

弟が短期的にすべきことは、リピディルとゼチーアを不要にすることだろう。 薬多すぎで手間も金もかかるので良くないし、 中性脂肪やコレステロールが高い状態は癌を利する可能性が高い。 それには筋肉を落とさずに体脂肪を削る必要がある。 激しい運動は当分無理だろうが、 糖質制限と、腹式呼吸を徹底することでこの状況でも体脂肪を削れるはずだ。 15%を切る頃にはさすがに中性脂肪が正常化するだろう。

2015年03月15日

明日は弟の手術なので福島へ行く。 肺が片づけば、センチ単位の病巣は全て除かれることになる。 しかし、ミリ単位の病巣は残る。 胃の周囲にリンパ転移があることはわかっているからだ。 それを抗癌剤で抑え続けられるか、あわよくば消滅させられるか、 というのが今後の問題になる。

一般には、抗生物質からの類推で、抗癌剤は一気に大量に投入して 癌細胞をゼロにしなければならない、と考えられている。 ゼロになれば勝ち、ならなければ負け、という世界観だ。 しかし、弟を見てくれている医師の考えはそうではない。 抗癌剤で癌細胞をゼロにはできない、という前提に立った上で、 できるだけ長く続けられる量でやる。 弟は癌患者であり、今後も死ぬまで癌患者で居続けることになるが、 それでも癌で死ななければそれで良い。 根治は手術でしかできないが、今回の場合手術ですら根治は望めない。 リンパ転移が多数あるケースでは再発は必至だからだ。 もしかしたら、もっと早く動いていればリンパ転移が少ないうちに 手術ができたかもしれない。 しかし、早く動いていれば食道を全摘していただろうし、 それで再発すれば標準治療以外の選択はなかった。 このような状況になったことが良いか悪いかは永遠にわからない。 9割以上の医者は間違いだったと言うんだろうけど。

弟の抗癌剤は年単位になる。おそらく終生だろう。 弟くらいの状況になると、手術後の余命中央値は1年以内だ。 普通は発覚直後に手術するので、ほぼほぼ発覚後の余命と等しい。 それが、普通に自覚症状もないままそろそろ1年を迎えるわけで、 運の良い半分には入っていると言える。 しかし、もちろんのことそれで喜べるはずもない。

先に座学で基礎を身につけてから実践、なんてのは絵空事だろう。 もちろん、知っているだけで使えるような類のことは先に知っておくべきだが、 そういうことはあまり多くない。

自前でプロジェクト作ってに私の本のサンプルからcppとddsをコピーしたら動かない、 という質問。ddsがslnのフォルダにあってvcxprojのフォルダにないため、 ファイル名指定だけでは読めない。 ifstreamが開けそこなっていることを調べる方法もわからないとなると この本を読むのは辛いだろうなあ。 ファイルの中身を読んでいる関数の中でヌルポ付近アクセスをして 止まっているとなれば、即座にファイルが読めていないことを疑い、 ファイルを開けられているかを調べるべきなのだ。 しかし、質問の様子からしてVisualStudioにもC++にも 明るくない感じであり、到底無理だろう。 一応それなりに詳しく説明しておいた。 頻繁にこのレベルのメールが来るなら無理だが、年に数回なら付き合える。 そして、「この本はそう簡単じゃないから、できなくても不安に思わなくていい」 と付け加えておいた。

実際問題、あのゲーム本を素人が読むのは無理だ。 VisualStudioでF10,F11を使えないレベルだったり、 相対パスが何だかわからなかったり、 コールスタックの見方がわからなかったりすると辛い。 標準ライブラリの使い方を調べられないレベルでも辛い。 そしてそれらの前提は、本当の初心者から見れば、すでにして 相当に高い所にある。大学の授業で習った、というレベルの者の プログラミングスキルはそれくらいに絶望的なものだ。 その中から普通に書ける者が出てくることの方が不思議だ、とすら思う。

このレベルで著者にメール投げてくるのはすげえな、と正直思うが、 これをきっかけに勉強して書けるようになってくれるならいいかと思う。 私だって始めの頃は相当恥しいミスをしていた。 for文のカウンタにchar使って128で巻き戻ってバグったりな。 そしてそれをこの日記に書いて恥をさらし、 そのことについて書いてくださった方の日記で 何故それが間違いかを知ったりした。 私が「CPUの演算器はそもそも特定のサイズで作られており、 それより小さくしたからといって速くなるわけではない」 ということを知ったのはその時だ。 それから3ヶ月でVUアセンブラ書いてたんだから、 我ながら結構大したもんだと思うわけだが。

ランダム化試験をしないと効くかどうかを客観的に確かめることはできない。 しかし、ランダム化試験が有効であることは、 人類がある程度一様であることを前提としている。 例えば外人の試験結果が日本人に当たるかどうかはわからない。 また、ランダム化試験の結果治る確率が明らかになったとしても、 自分がその治療をした結果どうなるかはわからない。 また、自分が変わった生活をしていれば、 その差異によって試験をした集団と同じ傾向を示さないかもしれず、 自分にはその確率を適用できないかもしれない。 さらには、確率が適用できたとしても、 自分が治る方に入るかどうかはわからない。 まして治る確率が低かったり、ダメだった時が即死で次の手が打てなかったりすると、 いくら確率的に最良でもその選択肢を選ぶのは難しくなる。 ダメだった時に次の手を打てる状況を維持して治療したい、 というのは人情だ。

そういえば、どうやら病理検査の結果を聞いていたらしい。 食道側にはなかったようだ。 あれだけふくれた食道側の癌が、抗癌剤で抹殺されたということになる。 それでも原発巣は殺せなかった、というあたりが癌の不思議なところだろう。 別に奥まった所にいて薬が届かなかった、というわけでもあるまい。 食道にふくれたものと同じ細胞であれば同じように死んでいたはずで、 原発巣にいるボスが、手下とは違った細胞だったと考えるのが妥当だろう。 癌の組織は均質ではないのだ。 そして、そのボスは手術で除けたのである。 散ったのが薬の効きやすい手下ばかりであれば勝算はある。 周りののリンパ節にいる奴等が手下ばかりであることを祈るばかりだ。 もっとも、リンパにいるのが抗癌剤後に原発巣から出てきた奴等であれば、 薬が効かないボスと同じ奴が混ざっている可能性もある。 そうなると非常にマズい。 そこそこ効いて小さくなったら再手術で取ってくれたりするのかなあ。

肺の病理検査の結果は来週あたりに出るのだろう。 それで転移かどうかがかなりの確度でわかることになる。

今日は眠れんな。寝たら起きられそうにないし。

ひつじこ達はひつじこ実家。私だけ帰ってきた。ゴミを出してから福島へ行く。

弟にチーズを差し入れしようと思ったが、東京の大丸にはチーズ屋がなかった。 明治屋の品揃えでは寂しすぎる。 以前品川にあった成城石井くらいの品揃えがある店が近くにあればなあ。

あ。品川でクイーンズ伊勢丹行けば良かったか。調べたら22時までやってるじゃないか。 なんてこった、行けば間に合ったのに。

日本橋の成城石井は24時間営業か。始発で行けば行けるなあ。 しかし、駅から離れてるなあこの店。東京駅からは2kmくらいありそうに見える。 つうか、持ってっても本当に食うのか?というのが問題なんだが。 なにせ病気だからな。でも、熟成したチェダーやパルミジャーノは 食べやすかろうし、両親が食ってもいい。買うだけ買うか。 なにせ何もできんからな。それくらいはしてもいい。

2015年03月12日

確定申告できた。1.1万くらい帰ってくる。 医療費15万で1万帰ってくるということは、税率は20%程度か。

勝手に買った薬に関しては、 明確に病気を治すための薬は対象になる一方で、 健康増進のための薬は対象にならない。 また、仮に風邪薬であっても、 風邪を引いていない状態で買うとたぶん適用外だ。 それは「治療に必要」なわけでない。 うちで買ってる漢方はほぼダメだな。

もっとも、申請すれば通るんだろうけど。チェックなんてしないだろうし。 これは良識の問題だ。

ひつじこが一週間ほど体調を崩している。 そろそろ過去形にしてもいいくらい回復しているようだが、油断できない。 でも、生理と風邪と花粉が一緒に襲ってきている状況だからなあ。

花粉症は糖質制限で軽減するという報告が多い。 だがひつじこは今年が花粉症デビューだ。 マイナスに働いている可能性がないとは言えない。

花粉症が悪くなるのは、アレルギー反応が強まるからだ。 アレルギー反応は副交感神経が強いほど強くなるらしく、 それってつまりリラックスしているほどアレルギーがきつい、 ということにならんか。 しかし、確かに小青竜湯のような麻黄剤は症状を軽くしてくれる。 麻黄は交感神経を刺激する薬だ。 緊張した毎日を過ごす方がアレルギーが弱い、なんてことがあるだろうか。

とはいえ、交感神経優位で炎症しまくる状況が悪いのは明らかだ。 手足は冷えるし、気は休まらないし、胃腸に血が回らず消化吸収も悪くなる。 リラックスと休養は間違いなく重要だろう。 それで実際にリンパ球が増えているのであれば、 TH2優位な状況をどうにかしないといけないということになる。 直接的にTH2だけを落とす西洋薬はない。 あってもいわゆる「免疫抑制剤」であって、 気軽に飲める薬ではない。 しかし、漢方にはTH2を下げる薬が多数あるという。 柴胡芍薬、桂枝芍薬、といった生薬のペアがそうらしい。 本当なのか。本当だとして、どれくらい飲み続ければ効くのか。

スタチンはケトン体の生成を抑えている、という話を聞いた。 もしそうならエネルギー源を脂肪よりも糖に傾ける効果がある、ということになる。 本当だったら嫌だなあ。

2015年03月10日

ひつじこ両親が病院に行ったそうだ。 前回「自費になる」と言われたのは、 市の健康診断を同日にやったせいらしい。 健康診断と病気の診察を同日にやると混合診療になるのだそうだ。 医者は次の日に来るものとばかり思っていたらしいが、 「月一回しか行けない」と勘違いをして行かずにいたので 心配されたらしい。そういうことなら安心だが、 逆に心配ではあるな。

じいじはHbA1cを測定してもらえなかったようだ。 1ヶ月じゃ大して変わらないから無駄な検査はやめよう、 ということらしい。医者側の判断としては間違ってないし正論なので、 こちらに別の都合があるとしても異論ははさみにくい。 4月まで待つのがいいだろう。 今の段階でHbA1cを測っておけば、 糖質制限をどれくらいの強度でやっているかがわかるので有益なのだけどな。 元が6.7もあったとなれば、もし厳密に糖質を排除していれば 1ヶ月で1近く落ちる可能性がある。 実際にはそれほど厳密にはやっていないだろうし、やるべきでもないので、 うまく行って0.5くらいだろう。6.2で、ギリギリ糖尿病というくらいになる。 順潮であれば、さらに1ヶ月で0.3くらい落ちて、5.8か5.9あたりになる。 これくらいになると薬を削れる可能性が出てくる。 でもまあ、実際に削れるとしたら夏くらいだろうな。

糖質制限がどれくらいの強度で行われているか、 そして、糖質以外をどれくらい食べているのかは、 血糖を測れなくても体重と体脂肪率からおよそ想像がつく。 蛋白質や脂質が足りてない可能性が高いなあ。 体脂肪率が横這いのままで体重が1.5kgも落ちている。 脂肪だけが落ちるのが理想で、 できれば体重1kgにつき体脂肪率は1.5%くらい落ちてほしい。 脂肪だけを落とし、筋肉はむしろ増やし、 差し引きマイナス5kg、というあたりが理想なんだがなあ。 これはばあばも同じ傾向があり、そろそろ対策を考えた方がいい。

糖質制限に関しては慎重なお医者さんらしく、 栄養指導を受けた方がいいと言われたそうだ。 筋肉が落ちるのはとにかく避けたい、というのはわかる。 筋肉が落ちるくらいなら、糖質を馬鹿食いして 血糖を薬で下げる方がマシ、というのが今の医学の主流だ。 これにノーと言うには、ちゃんと蛋白を食べて 筋肉が落ちないことを実証しないといけない。 しかし、もし肉や豆を多めに食べることが苦痛で実践できない というのであれば、糖質制限の方向を捨てるのも やむを得ないのだろう。 おいしく手軽に肉、卵、魚、チーズ、ナッツを食べる方法を 提案できるかどうかが大切になってくる。 単純に一日300gはその手の食品を食べないといけないのだが、 これは結構大変かもしれんなあ。

体脂肪率は誤差が大きい。週中間値くらいにしてならさないと 都合のいい点だけ見て減った気分になってしまって良くないな。 もう少しデータが増えてきたらグラフを中間値に差し換えよう。

義母の体脂肪率は50日でマイナス1%といったところか。 体重の減りは大きいので、やはり低栄養状態が疑われる。 ジャンクな菓子でも蛋白質や脂肪は入っているからな。 それを単に除くだけでは栄養が不足するのは当然だ。 その分食わねばならんわけだが、 元々間食していたとすると、一度の食事量を 増やすのは難しい。同じく間食で蛋白質と脂肪を 補う必要がある。 おやつに適した糖質制限食材って何だろう。

保存が効くこと。そのへんに置いておけること。 手で食べられること。手が汚れなければなお良し。 おいしく食べやすいこと。 私にとってはミックスナッツがまさにそれなんだが、 普通の日本のご家庭にナッツを導入するのは簡単ではないからなあ。

低糖工房の糖質制限チョコレート。 100gあたり脂肪60、蛋白8、糖質8。 これをモリモリ食ってても、まあいい気がするなあ。 問題は400gで2000円超という値段なのだが。

義父がみかんに走っている。日に7個とか食うらしい。 100gあたりの糖質量は11g程度。 その半分以上がブドウ糖及び蔗糖内のブドウ糖。 まあ一日40g程度だから気にするレベルではないんだろうが、 果糖がこれだけあると脂肪はそうそう落ちない。

うん。これは容易ではないな。 料理のレパートリーを豊かにする算段や、 間食に適した低糖食品の選定と合わせて、 低糖菓子の利用も考えた方がいいかもしれない。 甘味中毒と糖質中毒は一緒に抜いた方が効率はいいんだが、 そう簡単には行かない。若くて食欲旺盛なら 腹がふくれるまでチーズなりナッツを食い続ければ済むが、 親世代になるとそう簡単ではない。 とにかく一旦糖質を抜くべきだということになると、 低糖菓子を栄養補給に使いつつ、糖質中毒だけを まず抜く、という方がいい気がする。 あとは、簡単に調理できてそれなりにうまい低糖食品か。 来る日も来る日も肉を焼いて食う、 というわけには行かんだろう。

勝手に買った薬も医療費控除効いたのか... 納品書の類は全部取っておけばよかった。 e-taxなので領収書がないと申告できないわけではないのだが、 3年間は書類を持っておくこと、という規定がある。 紙がなければそれまでだ。

年間10万を超えた分は10%以上値引きになる、 と考えると結構損したな。まあいい。勉強になったと考えよう。

年金も確定申告できるので医療費控除を申告できるんだろうが、 さすがに微々たるもんだろう。払った税金以上には戻ってこないわけで。

ひつじこの体調が戻らないので、昼間一回帰ってオタマとシノンを連れ出した。 最初の20分は公園の集会所屋内で遊んだが、 すぐに閉まってしまったので、寒い中外遊び。 オタマはよく歌い、シノンはよく走る。 寒いなかブランコも乗った。 シノンは濡れた階段でも躊躇せずに座るので、尻はズブ濡れだ。 1時間ほどするとさすがに寒くなってきたのかガタガタし出したので、 雨が降ってきたこともあって帰った。

ひつじことしては家で遊ばせてほしいのだが、家の中で 二人を満足させる自信は全然ない。 ひつじこがそこにいる状態ではなおさら無理だ。 オタマもシノンも、 より面白い遊びを提供してくれるひつじこにまとわりつくに決まっている。 単純に子供と遊ぶことに関してはひつじこのレベルが高すぎて、 オタマもシノンも二人いる時に私を選ぶということがありえないのである。 例外があるとすれば体を使った遊びで、肩車したり、持ち上げてブランコしたりすれば 受けるのだが、二人同時は難しいし、そう長くはもたない。

2015年03月07日

最近は煎じ薬に手を出しているわけだが、煎じ方が気になる。 まず、蓋はすべきか。揮発して効き目が落ちる生薬があるはずで 蓋をした方がいいはずだが、 古典には「半分になるまで煮詰めろ」と書かれたものがあり、 蓋をせず揮発させた方が良い生薬もある可能性がある。 揮発させたくない生薬を後から入れるのが理想だが、 漢方薬局も手間だろうし、煮る私も手間だ。 揮発によって薬効が失われる度合いが調べられていればいいのだが、 見当たらない。 他にも疑問はある。水の量はどうか。 多いほどたくさん抽出できそうな気がするが、そうなのか。 濃度が薄いと薬効が落ちるようなケースがあるなら、量は増やせない。 もちろん、量が増えるほどガス代がかかるので、妥当なラインはあるだろうが、 それはどこか。また、蓋をするなら蒸発量が減るので水は減らせるはずなのだが、 そうしてもいいのか。

薄荷や紫蘇は長く煮ると明らかに香りが飛ぶ。 だから、これらは後から入れて5分煮たら終わりにするように古典にも指示がある。 しかし、同じく揮発して飛びそうな桂枝については、何の指示もない。 飛んでもいいのか、飛ばした方がいいのか、 飛ぶ量より長く煮ることで抽出できる量の方が多いのか。

だいたい、すごく簡単なところからわからないことだらけなのが漢方だ。 石膏て何で効くのよ。溶解度ほとんどゼロだぞ? PHが変わって他の薬の抽出具合や化学反応の具合が変わる、 というのはありそうに思えるが、研究はあまりされていないようだ。 だいたい優秀な人はそんな研究の道には行かないわけで、 研究があったとしても実験のデザインが粗かったりして役に立たないこともある。 石膏に関しては、エキスにどれくらい入っているのかもわからないし、 粉末で飲んだらどうなのかもわからないわけで、本当にわからない。 石膏エキスって何?

しかし、麻杏甘石湯で咳が引くのは事実だ。 石膏がどう効いているのか、 そもそも効いているのかもわからないが、飲めば確かに咳は引く。

ひつじこが風邪。オタマとシノンを公園に連れて行った時に無理をしすぎたのだろう。 しかも治りが悪く一晩で解熱できなかった。 また、特徴的な症状として、足が冷たいというのがある。 布団に入っていても足が温まらないというのは、 アドレナリンが出て緊張して末梢まで血が行っていないせいだろう。 今そこまで考えて気づいた。 これ、葛根湯や麻黄湯じゃないな。少なくともそのままじゃダメだ。 麻黄で交感神経刺激したら余計に足が冷える可能性がある。 産熱は盛んになるが、それが末梢や皮膚まで行かず裏にこもってしまっては 解熱しない。それをどうにかするために桂枝が入っているわけだが、 エキス剤の桂枝は効きが悪いのだ。

麻黄附子細辛湯なんだろうなきっと。附子と細辛で血を巡らせつつ利尿して水を除く。 疲れすぎて虚してると考えると、日本漢方で言ってもそっちになるな。

とりあえず、ここ数日紅花を単味で煎じた汁を飲んでいたら足の冷えが改善したので、 ひつじこにも飲ませてみた。足の冷えは引いたらしい。 しかし、脚に痛みが出てきたという。 風邪で脚がダル痛いのはむくみだろう。ひつじこは調子が悪くなるとよくそうなる。 血の巡りを良くして温めるだけでは、邪魔な水が消えないわけで、 紅花だけではダメだ。たぶん当帰芍薬散で水を抜けば楽になる。

弟の肺の手術予定が決まった。3月16日。一旦退院して、前日に入院。 東京から胸腔鏡をやれる助っ人を呼んだらしい。機械ごと持ってくるそうだ。 助っ人呼んだり機材運んだりって、普通なのか? 絶対普通じゃないよなあ。それでうまく行くかどうかは終わるまでわからないにしても、 そこまでしてくれる人を巡りあった偶然に感謝しよう。

プログラム書いてたら4時過ぎた。なんてこった。

2015年03月06日

花粉症の漢方。花粉なんてものは古代にはわからなかったので、 単純に症状だけ見て薬を決めるしかないようだ。風邪と方針は変わらない。

寒気がして汗が出ないなら桂枝+麻黄だ。寒気が強ければ麻黄湯。 そうでもなければもう少し弱いものでいい。 水っぽい鼻水が絶えないなら半夏+細辛。小青竜湯になる。 筋肉にこわばりや痛みがあれば葛根で消炎したいので 葛根湯だろう。 目や皮膚に炎症があればさらに桔梗や石膏。

寒くなく炎症が主体の場合、消炎しないといけない。 軽症ならたぶん銀翹散でいいが、 それで手に追えないなら荊芥連翹湯のように 消炎と辛涼解表がごっそり入ったものを使うことになる。

アレルギーは免疫のTH2が高すぎることによるという。 柴胡+芍薬はTH2を下げる作用があるといい、 長期にわたって飲んでいる花粉症が根本的に軽くなってくると言うのだが、本当か。 寒気系の症状が主なら柴胡桂枝湯、炎症系の症状が主なら荊芥連翹湯が 長期向けの薬になる。しかし長期の実験は面倒くさいし金もかかる。

また佐賀の漢方薬局に注文。煎じを拡充するとともに、四逆散を試す。 柴胡+芍薬はストレス対処の基本骨格であり、 他に枳実と甘草しか加わってない四逆散は実験にうってつけである。 これで効くなら加味逍遥散は過剰だったということになるからだ。

味噌の材料が週末には来るな。気合を入れてやらないといけない。

シノンの身長は知らないうちに80cmを超えている。 90はないが、85あってもおかしくない。 成長曲線を見てみると、これは大きい方だ。 平均より小さかったシノンがだんだんデカい部類になりつつある。 こいつ肉食うからなあ。逆にあまり食べないオタマは偏差値が下がる方向。 ここ1年ほとんど体重が増えてない。身長は4cmほど増えたが、6cmくらい増えてほしい ところだった。

冷蔵庫にコンチャイトロのフロンテラが3L箱で入っていることの幸せ感。 所詮安ワインではあるが、1瓶500円級に比べると上等な感じだ。味が濃い。

桂枝茯苓丸や当帰芍薬散、八味地黄丸は本来酒で飲むべきものなので、 これらを飲む時には昼だろうが朝だろうがワインを使っている。 これができるのは箱ワインだからこそだ。 瓶だとこうも手軽に少量を出すことができない。

2015年03月04日

杏蘇散という漢方薬があるが、2種類あって別物だ。 日本人が作った奴は梅や麻黄が入った咳止めで、 中国由来のものは参蘇飲の胃薬っぽさを削って咳向けにチューンした 感じのものである。東医雑録にあったのは後者なのだが、 困ったことに分量がわからない。webで調べると中医学系の データベースがあって分量が書いてあるのだが、出所がわからない。 そもそも原典は1000年とか昔の本なので、グラムで書いてあるはずもないからだ。 向こうで出版された最近の本が出典なんだろうなあ。 日本の杏蘇散は矢数道明と大塚敬節が書いた本にグラムで書かれているので はっきりしている。

もちろん自分で調合する気はない。生薬の保存は厄介すぎるし、 調合をしくじれば危ないし、使用量を考えると高くつくし、 そもそもそれは深入りしすぎだろう。 ただ、買った方剤に加える生薬をいくつか置いておくくらいなら アリかとも思う。忍冬、桔梗、石膏、カントウカ、あたりはアリなんじゃなかろうか。

夜糖質を食うと、次の朝の不快感がひどい。 ましてゆうべはひつじこと一緒にアイスを食べてから寝たので余計にひどい。 しかし、こうなる度に糖質制限の良さを実感できるので、これはこれで良い。

石臼ってローマ人みたいだな。イシウス。 他にも思った奴いないかなと思って検索すると、見つかる。 こんなつまらんことを一瞬で検索できるというのはすごい未来だ。 知らんうちに未来に生きている。

うちの建物がソフトバンクの光ファイバーに加入できるようになった。 プロバイダ不要らしく、月1000円以上安くなる。 だが、問題はこのサイトだ。 sannetを解約すればサイトを引っ越さねばならない。 そしてソフトバンクBBはサーバを提供してくれていないように見えるので、 サイトの置き場所を探す羽目になる。 無料サービスでは不安なので、月いくらか 払ってやることになるのだろう。さくらインターネットの場合は月130円。

そもそも、sannetを解約するのであれば、 光ファイバーにこだわる必要すらなく、WiMaxでもいい気もする。 通信環境を根本的に見直すべき時が来たということだろう。 もちろん携帯電話も含めて考えた方がいい。

でも引越しは面倒だな。 そこら中にアドレスが直で入ってるので、置換しないといけない。 根本的にサイトに関連したスクリプト群も新造した方がいいだろう。 そうなるとさすがに手間だ。この余裕がない状況でやってられることじゃない。

2015年03月03日

書き忘れていたが、正月早々去年仕込んだ味噌を開けた。 仕込んだ時には妙に固めで心配したが、ちゃんと味噌になっていた。 味噌は許容範囲が広い。 そして、先週末ようやく2年前に仕込んだ豆味噌を開けた。 表面はカビているが、中身はそこそこ大丈夫そうだった。 臭いは強いが、豆味噌ってのはこういうものだ。 ひつじこが野菜肉炒めに入れてみたが、美味だった。 米味噌と違って、生で食べるには適さない。 というわけで、今年の仕込みをやるために12kg分の原料を マルカワ味噌に注文。 今週末は味噌仕込みで重労働になる予定だが、 何かしら用事が入るかもしれんなあ。 会社を休んで片づけた方がいいか。

2015年03月01日

ひつじこ両親が風邪なのだが、いろいろあって医者の診察を受けられなかったりしている。 仮に受けられたとしても、行く手間を考えると医者に頼らずに済む局面は 増やした方がいい。 何か、テキトーな判断で飲んでも害がなく、多少なりとも効く漢方薬を常備しておけないものか。 西洋薬でも効けばいいんだが、副作用の出方がキツいからな。

参蘇飲と補中益気湯くらいか。 年から言って熱がガーンと上がる風邪は稀だろうし、 ひつじこ父は尿閉の経験がある。麻黄剤は怖い。 麦門冬湯は病院で出してもらったのが大量にあるようで、 そんなに頻繁に使わんだろう。エキスでも効くだろうし。


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