だだもれ

2004年6月30日

7月3日って、今週じゃねえか。もうそんな季節なのか。

明日から違う会社の人になる。しかし実質何も変わりはしない。

2004年6月29日

パン生地量産。一気に粉1kgを投入。こねるのにえらく疲れた。 ところで、小麦粉は100gあたり370kcalもあるらしい。 今まで朝昼合わせて250gくらい食っていたのだが、 それだけで925kcalにもなる。 あんこの量も考えると朝昼で1000kcalを大きく超えているはずだ。 さらに夕飯も1000kcalくらい食っている気がする。 まるでダイエットになってねえ。

2004年6月28日

接続が切れたまま復活しない。メールはPHSから読めるから致命傷ではないが、 しかし困った。ルータのせいでないことを確認するために一回外して モデムに直つなぎしてみたらつながった。ルータなのか。

ルータの設定が変わっていたっぽい。不思議。 まさか外部から攻撃されたとでも言うのか。とりあえずパスワード変えとこう。

2004年6月27日

アホ電話。元気に生きていけそうで安心したが、いいのかなあ。 まあオレもがんばるか。

電話してる間にPCがフリーズしてる。 サスペンドしたまま何をしても帰ってこない。 これどうすればいいんだろう。 仕方ないし電源切るけど。

プラトン「饗宴」(岩波文庫)。ひたすらソクラテスを誉め讃える作品。 「今日の酒の肴は愛についての演説合戦としよう」 と言って始まるが、言葉ばかり美しく中身のない演説がえんえん繰り返された 後に真打ち登場。「君達のように美しい演説はとてもできない」 とかなんとか言いつつもいつもの誘導尋問に巻きこんで粉砕。こいつ、ヤな奴だろ。 そして一通り終わって皆がガッカリ気味のところに 酔っぱらいが乱入してきてひたすらソクラテスを賛美するという かなりわけのわからない展開だ。短く、かつ プラトンのうさんくさいノリが強く出ているのでおすすめである。 ちなみに、ここで語られる愛はほとんどが少年愛を前提としている。

もう少し日本語として自然な翻訳はないものだろうかと思ったが、 どうも新潮文庫の方が良さそう。 岩波と新潮では翻訳の傾向が違っているのではなかろうか。 岩波は訳から元の単語が類推できるような訳が多く、 新潮は読んでおもしろい訳が多いというイメージがある。 数冊しか知らないので他がどうかはわからないし、 実際岩波にもモンテクリスト伯のように読みやすくおもしろい訳もあるが。

拳法ですが、実験的に7/17に馬込、7/24に糀谷の文化センターを予約してみました。 それぞれJR大森及び京急蒲田が最寄駅です。 後者はJR蒲田からでもプラス8分くらいで行けます。 駅集合にして案内します。詳細は次回に。 人によってはものすごく遠くなるかもしれませんがごめんなさい。 確かにこのままではどうにもならない気がするので。

2004年6月26日

拳法。できてねえなあオレ。これからの方針が修正された。 今までの「元気を増やす」方向性も間違ってはいないが、 それだけでは拳法にはならない。

来週の土曜は朝早起きして練馬区の体育館を見に行く予定。 有楽町線氷川台もしくは西武池袋線桜台。 今でも1時間半近くかかるのがさらに20分くらい遠くなるので かなり嫌なのだが、本当に使えるならそれも仕方ない。 ところで、手あたり次第にいろんな区の体育館を調べてみたが、 区民以外ダメとか、団体使用しかないとか、そんなのばっかりだ。 一見個人利用が可能に見えても、種目が限定されていたりする。 こうなるとWEBの粗い情報では話にならん。もっと地域を狙い打ちして サイトもないような地味な施設を狙うべきだ。 地味な集会所とかが狙い目である。 集会室とかでもうまく言えば太極拳に使わせてくれるかもしれない。 なにせ太極拳だからな。ミットを殴っても太極拳。

京急の穴守稲荷、糀谷、六郷土手、 蒲田、平和島、及びJRの大森。各駅から歩いて20分以内 に文化センターがある。後ろから順にアクセスが良いのでその順に当たってみよう。 なお、穴守稲荷というのはうちの最寄駅で歩いて行けるので私は楽だ。 しかしあまりにへんぴすぎるので人を呼ぶのは辛すぎる。

2004年6月25日

「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」。 ひきこもり作家として有名らしい滝本竜彦という人の作品。 現代的な「やる気なさ」がこれでもかと描写されつつも、 やっぱり熱い青春が根底にある。 最初はダメ人間系の主人公に 腹立たしさを感じたが、次第に好感の持てる熱さを感じるようになった。 知る限り太宰とかもダメ人間だが、あっちはかなりこれみよがしにダメ人間で 「やる気がない」と言うにはあまりに苦悩しすぎている。 苦悩というほどでもないんだが、なんだかなあ、みたいな のが現代的な感覚なのだろう。 私のように故意に視野を狭めて手近な目標以外を意識から閉め出してしまうのに 比べればはるかに誠実な態度と言える。 しかし、それはそれとしてやる気がないのはダメだ。 私はそういう「常識的感覚」から自由にはなれない。 もちろん私だって「いいのかこれで」と思うことはあるし、 その頻度は決して少ない方ではないだろう。 ただそこで「とりあえず目先の課題をがんばる」という逃避を実行 できるだけ、私は単純なのであり、また幸せなのである。

シグルイ2。最高。皆読め。いちいち全てがかっこいい。

ともかくも祖父の葬式は終わった。 何かを言うべきなのかどうかはわからない。 祖父は89歳で亡くなった。 考えてみれば太宰と同じような年代の人である。 通夜の日の夜中に父や叔父からいろいろと祖父について話を聞いたが、 私はそういった話をフィクション的な文脈、例えばこち亀でたまに出る 昭和話のようなものを利用して受け取らねばならなかった。

眠っているだけにしか見えない祖父の顔と、 炉から出てきた白いカサカサした何かには全く連続性がなかった。 葬式の儀式を含めた全てが音のない映像だった。 宴会にしか見えない何かが宴会でないことを保証するものは 置かれた祖父の写真と皆の黒服姿だけだった。

サボテンの鉢を一つもらってこようと思っていたのだが、忘れてきてしまった。 今度行こうと思う。

なお、父方の祖父なので、福島の方ではない。 一応面識のある何人かのために断っておく。 あっちは有難いことにまだまだ元気だ。

マンション買わないか電話2。年齢で見てやがるなこいつら。 そんな金あるわけないだろ。 金を吸い取ろうとする敵だ。家賃もったいないですよね、 とか言われても知るかそんなもの。半年先の状況もわからんのに 今後20年とかの人生を縛れるか馬鹿者め。

弟と合羽橋で包丁を買った。店は 釜浅商店(リンク切れ。検索で探すと場所はわかります) 。包丁を買うならここ以外はありえない。 安いし、わざわざ業界のしくみを教えてくれたりしておもしろい。 昔JAGと行って中華包丁を買ったのも、就職してから牛刀を買ったのもここ。 それぞれの品について特徴を説明してくれるのは当然だが、 製作者が誰かまで教えてくれる店はそうそうあるまい。 今日買ったのは前と同じくらいの牛刀で4000円ちょい。 前のは親にプレゼントしてしまったので買い直したのである。

2004年6月24日

実感がなくても現実はそこにある。 そんな当たり前のことがひどく不思議だ。 野球中継が写っているテレビのすぐ横に違う世界への入口がある。 フィクションでしか知らなかった空気がフィクションのままに 再生されていた。フィクションがリアルなのか、それとも私がフィクションの文脈に おいて感じているのか、それはもう私にはわからない。 あるいは皆がフィクションの文脈に沿って振る舞っているのかもしれない。 朝起きて納豆を食いながらふと目に映るふすまの向こうには 悲しい現実があるというのに、わざわざ目を背けるまでもなく その実感はやってはこない。ただただ状況証拠が積み重なっていく。

新しい靴は合わないっぽい。 買う時には大丈夫そうだったのだがわからないものである。 29cmだけに長さは少し大きいくらいなのだが、幅が足りない。 右の親指の外側に常に圧力がかかっている。 私の足は左右でだいぶ幅が違うらしい。 ふんばった時に特定の部位に圧力がかかる靴はダメだ。 しかし圧力がかかる部位が親指の外側で比較的歩行に支障はないので、 そのうち足が慣れてくるかもしれないとは思う。

フランクル「夜と霧」。ナチス収容所を生き延びた精神科医が自らの体験を語った本。 ただナチの悪行を並び立てるのではなく、 その極限状況において当事者がどのように感じていたか ということに主眼が置かれている。 自分の悲惨を誇るでもなく、かといって不自然に寛容なわけでもない 独特なスタンスに引きこまれた。 精神科医らしい客観的な分析の中にも熱いメッセージが詰まっているのである。 特定の宗教に偏らないもっと大きな意味での信仰心を感じる。 ナチの悪行そのものは有名だが、 こういった側面から見せてくれるものは初めてだ。

2004年6月22日

他人に使わせるツールを作るとなるとマウスで動かせないといけない。 激しく面倒だ。しかし今のうちに慣れておくのは悪いことではないだろう。

あんこ2。今度は上品さの上限を見極めるために、 豆を戻す時の水を捨て、 さらに沸騰した段階でアクごと煮汁を捨ててみた。 さらに果糖が届いたので砂糖の代わりに入れてみた。 果糖の甘さを思い知るために、前の砂糖と同量である。 結果、甘すぎ。加えて豆の味があまりしない。市販のあんこに近い味だ。 ちなみに果糖はなめてみたら驚くほど甘かった。 これで下限と上限が得られたので、次はその中点を取れば良い。 すなわち、浮いているアクだけ取って煮汁は残し、果糖の量を2/3程度に減らす。

12.2%、66kg。上半身で測ってヒトケタになるまでは健康上の心配はないので限界は まだ先だ。そもそもまだ腹をつまめるのである。 しかし、これもしかして皮が余ってるんじゃなかろうか。

マルドゥック・スクランブル完。相当おもろかった。 本気がビリビリ伝わってくる。後書きまで熱い。 物語を書くというのは大変なことだと思う。

2004年6月21日

そういえばヨドバシで上半身の体脂肪を測ったら、 18%くらいだった。前測ったら20%近かったのでたぶん減ってるんだろう。 しかし下半身よりはるかに大きい。削れ。

2004年6月20日

川崎と秋葉原で買い物。最初から秋葉原に行くべきだった。 プラス床屋。最近出ていく金が多いが、今回のは有益な投資になるはずだ。 windowsプログラミング関連とXMLの本。あとついでにsoftether。

ノートPCのDVDドライブがヤバいっぽい。ファイルを2,3個読みこむ度に ジージー音がしてる。インストールが一向に終わらん。 やはりノート用は脆いのだろうか。

2004年6月19日

マルドゥック・スクランブル2。さらにおもろくなってきた。カジノが熱い。

漫研OBで秋葉にてカレー、カラオケ。 さらに朝には川原で二胡という楽器をいじって遊ぶ。

スクラン5。相変わらず微笑ましいが、もう少し漫画うまくなれ。 美鳥7。相変わらず楽しいが、もう少し漫画うまくなれ。 今日冷めてんのかなあ私。美鳥の38才のオッサンが萌えキャラというのは 相当シビれたが。

ピクセルシェーダはギャルゲーでも使うかもしれんな。 フォトショップみたいな合成をやるならどうしても必要になる。 しかし、使えるハードウェアがあまりに限られるのでまだ早い。 通常、加算、減算、あと反転テクスチャを用意すればもう少し凝った奴も できるが、そこまでだ。点光源ライティングもピクセルシェーダ があれば容易だが、なしだと自力テセレーション+グローシェーディングしかない。 まあ所詮長方形の板なので自力テセレーションも大した手間ではないのだが、 品質を考えると辛かろう。

2004年6月18日

マルドゥック・スクランブル中。1巻まで。普通におもろい。 主人公が超人すぎるとか、ネズミが便利すぎるとか、 いろいろ気になることはあるが、そういうところはこの際気にしないことにしよう。 レンズマンの無茶が許せればこの程度は屁でもない。 しかし、レンズマンはハナッから情緒も何もあったものではない作品だから あれでいいのであって、 今風にトラウマを抱えている姿とこの圧倒的な戦闘力は どうも合わない。

新記録。12.8%。7月中にヒトケタになるといいなあ。 でもたぶん上半身は15%以上あると思う。 ヘソから上はあまり変わった気がしない。

いろんな企業が来て新技術の展示をやっていた。 何故か「卵を落としても割れない衝撃吸収材」も展示されていて、 結局それが一番おもしろかった。 調子に乗って思い切り叩きつけた人がいて、当然粉微塵になった。 周囲大ウケ。営業の人はこっそり一歩退いていた。 たぶん同じ状況に何度か出逢っていたんだろう。 なお、他は立体テレビとか、カメラに距離測定機能をつけたものとか、 いろいろあった。一見魔法にしか見えないようなトリッキーな技術もあって とても面白い。

痩せるっていいなあ。キツくてはく気にならなかったズボンがはける。 つまりM1の時くらいまでは戻せたということだ。しかしまだまだこれからである。

2004年6月17日

女性漫画誌の表紙で「セックス」と書いてないものを探す方がむつかしい。 今の若い人にはそれだけ切実な問題だということなのか。 そしてこれは勝手な推測なのだが、 ああいう雑誌の読者には「そういう現実」に関して落ちこぼれた人が多いの ではなかろうか。そういう経験をしている人に対して抱く「うお、大人だ!」 という思いの強さはそう生易しいものではあるまい。 ちなみに、私は未にそういう経験をした人や、タバコを吸っている人に対して 「うお、大人だ!」という思いを相当強く抱いている。 「奴は大人だ。そしてそれはオレとは違う何かだ」という感じで、 これは理屈でどうこうできる物ではない。 私がひときわ劣等感を抱えこみやすい性格だということはあるにせよ、 やはりこういう感情はありふれたものなのではないかと思う。

有理多項式クラスを実装。連分数を表現するために係数にスカラ と有理式を指定できるようにして再帰的な定義を可能にしてみたが、 実はさっぱり使い道がないことに気づいた。 操作ごとに毎回有理形に変形すれば連分数形なんて必要ないのである。 動いているので削る必要もないが、何をどう考えてもいらないので 削ってしまう予定。あと妙に精度が悪い不具合を修正して、 実行時関数群を整備すればこの話はおしまいとなる。 来週はめりこみ距離測定に戻れるだろう。

科学哲学の本に「グリコ、チョコレート、パイナップル」という言葉を見つけて 懐しい気分になったこを思い出した。しかし考えてみると教授ともなれば 私よりはずっと年上だろう。親くらいの年かもしれない。 にも関わらずそういう言葉が出てくるというのは、不思議なことである。 そういう子供用語も実はずいぶん伝統のあるものなのだろうか。

今日はいつもの1.5倍くらいヘロヘロになってみた。 「うーん、もう少し疲れられるよなあ」と3回くらい思った気がする。 さあどんどん強くなれオレの体。ところで、前に脚を90度上げて静止できない のは筋力の問題だと思っていたが、それだけではない。柔軟性もまだ不足している。 足上げのストレッチをする時に体が横向き気味になっているために 前方向の柔軟性、つまり軸足のももの内側から前側にかけての筋肉が ガチガチなままだったのである。これをどうにかするには しっかりと足を真正面に向けたまま広げるストレッチが必要だ。 何かやりやすい方法を考えよう。

2004年6月16日

汗しょっぱいなあ。ナトリウム食いすぎなんだろうか。

体重は減ってきたが、体脂肪率の変化があまり見えない。 十分食っているはずだから、運動して筋肉が減るなんてことはないはずなのに。 とにかくタンパク質を増量しよう。現在65.6kg。

この豊かな現代日本でそこそこ普通に食ってても収支がマイナスなわけだが、 それでは昔の人はどうやって生きていたのだろうか。 カロリー的にはこれくらいは食っていたのか。 それとももっとエネルギーの利用効率が高かったのか。わからん。

きっとこの機械では測れない上半身の体脂肪が減っているに違いない。 今週末ヨドバシでも行って測ってくるか。

関数近似。理屈を完全には理解していないものの、とりあえず動いてはいる。 ミニマックス化の効果は著しく、単なるテイラー展開とは雲泥の差である。 ただし、元の関数を与えないことには動かしようがないため、 入力となる関数の展開形を導出しなくてはならない。 これがsinやcosなら単純なテイラー展開形で足りるので手計算でいいのだが、 tanなどのように特異点(無限大に発散する点)が原点に近い関数は 有理多項式(分子と分母を持つ式)でないと良い近似式が得られない。 そこで入力もそのような形式に変換する必要があるのだが、 すでに知られている理論展開形が近似に必要な形式とは異っている場合に 式変形が必要になる。 有理式は分子と分母の多項式から成り、多項式は複数の係数から成り、 係数はスカラか有理式のいずれかから成る、と考えると再帰的に式を表現できる。 あとはこいつに望みの演算や変形をかけるプログラムを書けばなんでもできる。 そういうライブラリは絶対あるはずだが、 面白いので自力で書いてみよう。どうせ勉強時間だ。 一日あればそれなりに動くだろう。

2004年6月15日

P4とセレロンで速度が全然違うってのは本当なのだろうか。 何故こんなことを気にするのかと言えば、 今度タイトーが売る新基盤がセレロンの1.7GHzとかで 「うわー爆速じゃねえかよ」とか思ってたら「そうでもない」 という話を聞いたからである。誰か詳しい人教えてください。 ちなみにビデオもRADEON9200とかで、 「良く知らねえけどそれってすげえ速いんじゃねえの?」 とか思ってたが、これもまた「そうでもない」と言われた。 まあ何にせよPC以下なのは一緒なので、どうでもいいといえばどうでもいい。 ゲーセンは「ゲーセンでしかできないゲーム」で勝負してナンボなのである。 あの秋葉のゲーセンの状態を見てよくわかった。グラフィックなんて二の次だ。 まして音なんて全然聞こえねえ。あれこそがゲームの一番健全な姿かもしれん。

などとふんぞり返っているうちに家庭用では置いていかれて二度と追いつけ なくなるわけだが。

あんこはやっぱり少し焦げていたようで風味が悪い。 それと、少しくらいアクは取った方がいいかもしれない。次はその路線で。

ナッパみたいな脚にしたいものだが、程遠いな。

そういや鎖骨が左右非対称だったんだっけ私。左肩だけ上がって見えるが、 鎖骨がそうなっているのでどうしようもない。 たぶん小さい頃に何かやらかしたんだろうなこれ。 そしてそれとは関係なく肩に力が入っているので意識的に落としていこう。

bi-CGSTAB法すげえ。連立方程式が本当に収束した。計算量 の解析はしていないので速いかどうかはわからないのだが、 ともかくも収束するというだけですごい。 しかし理屈はまったくわからん。たぶん大学院レベルの線型代数が必要だ。 行列のスペクトルと言うのが重要らしいのだが、さっぱりわからん。 というわけで、動くが中身はわからないという状態のまま放置。

関数近似が楽しい。こんな地味な分野にも人類の英知が詰まっている。 それも飛びっきり工学的で数学的な美しさなんて微塵もないのだが (pi/2を足すよりpi/4を二回足した方が精度がいいとか)、 そこが新鮮でなにやらおもしろいのである。なお、本のサンプルコードがpascalで C++に翻訳するのにえらく疲れた。関数の中で関数を宣言できて、 しかもその関数は親関数の変数が見えるので スコープがわけわからないことになっている。当然全部クラスに書き直した。 しかしまだ動かない。こんな地味な事を やっても目立たないのでさっさと終わらせよう。今週中に衝突判定を 全部GJKベースに書き直す予定だったのだ。

2004年6月14日

あんこを作ろうと小豆を水に漬けておいたのだが、 さっき豪快に寝てしまって今1時。すでにずいぶんふくらんでいていい感じなのだが、 一体どうしたものか。元々アンパンにしようと思っていたのでパンの生地も 作らないと意味がないのだが、それも今からやらないといけない。 あるいは今すぐ寝て7時に起きてやればいいが、こちらはあまりに未来の自分に 期待しすぎている。それがしばしば裏切られることはすでに学んだはずだ。 などと考えていてバカらしくなったので小豆を煮始め、さらにパン生地も練っておいた。 どうせ電磁調理器だからこのまま寝てしまっても最悪の事態になるわけではない。

今日のあんこ。水と豆の比:体積で1:1。 火力:沸騰後は3(250W)で1時間。アク取り(あるいは煮汁捨て)は敢えて行わない。 豆と砂糖の比:体積で1:0.5。 市販のあんこに比べて豆の味が強く甘味が弱い、要するに粗野なものができる。 危うく焦がしそうになったので、次は少し水を多くしよう。

しかしこれはあんこと言うより煮豆だ。そういう方がいい。

クラナドについてきたアレンジCDを再び聞いているが、やっぱり無理矢理感が漂って いてあんまりいいとは思えない。ケルト風味にしたいのはわかるが、 このぎこちなさはなんだ。そういうことをしたいなら生音もってこい。 ケルト云々を抜きにしても風子の曲は何かせかせかして落ちつかないし、 渚の曲は低音部がやかましくてつつましさに欠ける。 しかしそれはそれとしていろいろ記憶が 蘇えるのでそれだけでおなかいっぱいになる。

論文を家に忘れていってめりこみ距離計算を実装できなかったので、 かわりに関数近似をやることにした。ところが、その中で使う連立方程式を 実装している途中に面白くなってしまって今日はそれで終わり。 ガウス=ザイデル法はすぐ実装できたが、まるで収束しやしねえ。 そこそこ近づくが、その後は離れる一方だ。 そこでもっとややこしそうな奴を実装していたがさっぱり理屈がわからないので 丸写し。これで動けばそれでいいが、動かなければ当分反復解法は 凍結となる。LU分解はとっくに書けているから実用上は問題ない。

たぶん今やっていることの半分くらいがパーになりそうな予感。 下手をすると丸ごとパーになりそうな予感。残るのはスキルだけ。 ともかく6月中にそれなりな結果を出して目立っておかなくては。 その後はかなりの確率で物理とも数学とも縁のない 泥作業を請け負うことになりそうなので 今のうちに悔いの残らないようにしておきたい。 まあツールマシーンになるならwindowsプログラミングが学べるので そう悪くもないのだろうが。

2004年6月13日

とらのあなから出たところで会社の先輩にばったり会い、 せっかくなので一緒にタイトーのゲーセン2軒を回ってみた。 新しい方はまだ人がついていないが、古い方は驚くほどにぎわっている。 あそこだけ見ているとゲーセンもまだまだ大丈夫だなと思ってしまうが、 秋葉原と言う特別な場所であることに注意せねばならない。 とは言え、ゲーセン市場を重視したくなるのもわかる気がしてきた。

ジッド「狭き門」。男は一緒にいることが幸せだと女に迫るが、 女はそのようにすぐに手に入る幸せは許されないとして拒む。 ヒロインのアリサが主人公のジェロームを拒む理由は 彼女の考えるキリスト教的な「徳」の問題であって、実際的なものではない。 強いていえば、幸福を求めないことそのものが目的、というところだろうか。 はっきり言って不自然だ。キリスト教、特にプロテスタントの凄まじさを 少し垣間見た気がする。 しかし、私にはアリサのジェロームに対する感情が 愛とは思えない。愛の定義が違うのだから言っても詮なきことではあるが、 それでも私はやっぱり変だと思う。そもそも彼女が意地を通したことによって 誰一人として幸せになどなっていないのだ。 それにやり方もまずい。勝手に「自分はあなたみたいに立派な人には釣り合わない」 とか言い訳をしてみたり、わざとらしくどうでもいい本を読んで取るに足らない 女であるかのように見せかけてみたり、とにかくやり方が気に食わない。 手紙の文章も勝手だ。崇高な物を求めるにしては何もかもがうさんくさい。 しかし、彼女がジェロームを彼女の定義において愛していたことは疑いようもなく、 そういう気に食わないところはともかくそこだけは認めないわけには行かない。 それに彼女は結局そういうふうに育ってしまったわけで、 彼女はそうすることしかできなかったのである。 仮に無理矢理彼女が折れて普通に幸せな生活を送ろうとしたところで、 きっと彼女はいつまでも崇高な何かについて考えて心安らぐことはなかっただろう。 なお、解説にジッドの略歴が載っており、彼にとっては聖書を持たずに旅に 出ることは相当な挑戦だったという話があった。 厳格なキリスト教信者の家庭に生まれ育つということの意味を 私はまだまだ過小評価していたようである。 ホテルの引出しに必ず聖書が入っているという話を聞いても 私は一種の「お約束」程度にしか思わないわけだが、 本当はもっと重いものなのだろう。

不思議な因果で、森永あい「僕と彼女のXXX」の1,2巻。 男女入れ換わり物なんだが、そいつらが別々に恋愛関係になりつつあったり して、そのドタバタっぷりがすげえ楽しい。テンポいい。

川崎。やけにデカい靴ばかり置いている靴屋があって、中にものすごくいい感じな 靴があった。値段は高いが、それに十分見合いそうな性能だ。 私はどうにも小指が窮屈なのに耐えられない性分なのだが、 あの靴は29cmと元々デカい上に素材が柔かく中で指を動かせるのである。 重さも程々で、地面のグリップ感も優秀だ。あれはいい。 今使っているスニーカーはそんなに悪くはないもののやはり窮屈で、 実際しばらく型をやっていると指に豆ができそうになる。 が、にも関わらず買ってこなかった。買うならしっかり今のスニーカーと比べてから 買いたかったのである。今日はサンダルで行ってしまったので比べようがなかったのだ。 それともう一つ躊躇する要因があって、デザインが未来シェイプすぎるのである。 この私があんなに未来的な靴を履くのは許されないような気がしたのだ。 なんか妙に流線形で凝ってるし、nikeってたぶん有名ブランドだよなあ、 とか思うと何か場違いな気がしてくるのである。

そして本屋。会社の一年下の人に会った。彼は.netとかxmlとかumlとかSQLとか、 まさに私が劣等感を抱いてやまない分野に強い人で、そういう本を買っていた。 なんか今時勉強しとかないとヤバい分野ってない?と聞いたら 「C#とか.netとかでしょう」と答えられ、やっぱりそうなのかと思いつつ 買わずに帰ってきた。GJKやらPVSやらBSPやら関数近似やら、 そういう物にはC#どころかC++すら必須ではなく、gccとmakeがあれば 十分な物ばかりである。GUIが欲しければ誰か他の人がつけてくれ、 という感じで、はっきり言って自分で勉強する気にはまるでならない。 実際私のPCにはVCすらインストールされていないのである。 どうせ本当に必要になったら必死で勉強してどうにかするんだろう。

そういえば本屋で見なれた絵をみつけた。softetherの本だったが、 挿絵がすごいことになっている。中に漫画まであった。すごい。 しかし、softetherが何だかもロクに知らないので パラパラめくっただけで帰ってきた。

太宰治「女生徒」。ニャに勧められたのだが、確かにすげえ。こいつ変態だ。 内容そのものは存外まともだったのだが、少女の心理描写が奮いすぎている。 引用するのも面倒なので、 青空文庫で現物を読んでもらいたい。 ニャが「初めてマリみてを読んだような衝撃があった」と言っていたが、 なるほどと思う。こういう綺麗な感性は好きだ。

2004年6月12日

GJKが動作。球と球の衝突判定に成功。距離も求まる。 しかし球では2サイクルしか回らないので、 4サイクル以上回る場合にも正しく動作することを確認するために 箱あたりでやってみるのが良かろう。 そうしたら後は厳しいチェック処理をはさんだままで実際に使ってみつつ 演算誤差や縮退による例外動作が起こらないかを監視していけばいい。 次はめりこみ距離計算機能を追加する。 これの副産物として衝突法線も求まるので非常においしい。 また、最侵入点は衝突法線をサポート写像すれば求まる。 かくして衝突応答に必要である 衝突中心点、最侵入点、衝突法線、侵入距離の4つが全て求められることになる。

結局一回丸写しして自分の好みの形式に書き直しつつ 動作を追っていくという方法を取ってしまった。 本来なら論文のアルゴリズムを自力で実装してからお手本を見たかったのだが、 あまりのややこしさに心が折れてしまったのである。 しかし次のめりこみ距離計算はお手本ソースコード が存在しないので頼れるのは論文だけとなる。 気合いで成功させねばなるまい。 これに勝利したら次の課題は関節接続の実装だ。 物理計算と言えば死体が階段を転げ落ちるデモを思い浮かべる人が多く、 アレをやらないと誰も認めてくれなさそうな気がするのである。 featherstone法がメジャーだが、他に手はないものか。

非凸図形は凸図形に分割しないと扱えない。 しかし、例えばすりばち状の地形なんてものは凸な部分などなく、 分割のしようがない。衝突判定の何かをひっくり返したらうまいこと行かないだろうか。 例えば球の内側の物は当たらないが、球の外側にいたら当たるような 負の形状を考えることはできないだろうか。 そうすれば例えば玉の内部に玉を閉じこめるようなことが可能になる。 二次曲面は外側から見れば必ず凸なので、これをうまいこと 組み合わせて表裏の属性に応じて衝突判定を判定できれば 曲面との衝突判定が可能になる。曲面生成がメジャーになって 絵は曲面になっても衝突判定は相変わらず平面の集合体というのは かっこ悪かろう。曲面をそのまま衝突判定に用いることはできないものか。 しかし一般の3Dモデルデータを一次及び二次の曲面で近似する処理が必要なわけで、 その処理を考えるのはそれなりに面倒かもしれない。

内井惣七「科学哲学入門」終わり。かなり読み飛ばし気味だがそれなりに 何が言いたいかはわかったと思う。 後ろの二章は科学的方法、あるいは科学の目的についてだった。 科学の態度には大きく分けると「実在論」と「非実在論」があって、 前者は「世界の真の姿を明らかにすることが科学だ」という立場で、 後者は「見えるものにつじつまの合う説明をつけるのが科学だ」という立場である。 筆者は実在論が要請する態度は余分だとして非実在論を支持していて、 その考え方はとてもわかりやすい。 言うならば「納豆にはネギがないとダメだろ」という奴に対して、 「納豆だけでもおいしいだろ」と言う意見だってあっていい、 という事ではないだろうか。 「世界の真の姿」などというあるかないかもわからないものを仮定しなくても これまで科学は存在してきたし、実際今もこれだけ流行っているのだ。

ところで、現在科学的方法と呼ばれているものが 実は最良のものではないのではないか、という疑いを持っておくことは 有益であるように思われる。確率的な考え方の導入が科学に大きな変化を 及ぼしたのと同じように、今の考え方が時代遅れになるような何かが 現れるかもしれないのである。 むろん、そんなものはまるで思いつきやしないわけだが。

もうすぐ子供ができる人がいるのだが、ある人がその人に 執拗に「子供の名前は汐にしましょうよ」と言っていた。 別に変な名前でもないのでかまいやしない気もしつつ、 本人が後で出典を知ったらどう思うだろうかと思うと一緒になって 勧める気にもなれない。 しかし、私ならどうするだろうと考えてみれば、たぶんそういうことを 平気でやれてしまうような気もする。 出典がアイドルな人なんてそこら中にいるのだし、 それがギャルゲーキャラになったところで大差はあるまい。いや、あるか。

体脂肪の減りが予測に比べて悪い。 予定では6/10時点で12%台に落とすはずだったのだが、まだ最低値は13.0%だ。 自分が思っている以上に食っているか、 あるいは食わなすぎて体が飢餓モードに陥っているか、 そして考えたくはないが自分が思っている程運動していないという ことも考えられる。どれもそれなりに確からしい。 夕飯は会社の人と一緒に食っているので、あれのカロリーが実はメガ級 だったりすると大幅に計算が狂うのである。 夕飯だけでメガカロリーとなると他に食えるのはわずか600kcal程度にすぎず、 さすがにそれくらいなら昼持っていっている豆ごはんだけでも超えているはずだ。 逆に、最低これだけ食えば飢餓モードには 落ちないという熱量の見積りが小さすぎている可能性もある。 運動に関しては足りないなら増やせば良いだけであり、 問題の解決は簡単ではないにせよ単純だ。増やそう。 問題は食事だが、足りない場合に増やすべきはタンパク質であり、 多すぎる場合に減らすべきは油であるため、夕飯における選択を改善し、 弁当豆ごはんの豆率を増やすことでさしあたり対処できる。 また、朝を面倒くさがって食わないのはたぶん問題なので、 持っていった弁当を朝と昼の二回に分けて食うのが望ましい。 起きたばかりで食う気がしないにしても、 会社についてしばらくすれば腹も減るものである。 気がねなく早弁すれば良かろう。実際たまにやっている。

ちなみに、すでにダイエットする必要性はほとんどない。 脇腹の脂肪もそれほど気にならなくなった。 しかし、どうせやるなら標準状態で腹筋が割れているのを見てみたいし、 触るとコンッと音がしそうなくらい硬い尻というのもおもしろそうだ。 次の目標は座った姿勢でヘソの底が見える状態。 以前はヘソの穴すら脂肪に埋没していたのが最近見えるようになってきたので、 これをさらに推し進めたい。

雑穀食いてえ。そう思って麦やらきびやらの通販を探したのだが、高い。 キロ1000円以上するような穀物は主食にはならないだろう。 結局大麦くらいか。

2004年6月11日

蹴りつつ考え、フロの中でも考え、やっとわかってきた。 可能な組み合わせをバカ正直に列挙してるんだこれ。 4x4行列からありうる部分行列を全て作成して、その全てについて解を求め、 その解のうちでもっとも行列のサイズが小さいものを採用する、 という手続きなのだが、これを本気で全部やっているのだ。 この部分行列の抜き方に関して決まりがあって、同じ番号の行と列を削除すると定める。 例えば1行目と1列目を削除すれば234から成る3x3行列が抜き出せるし、 1行目及び1列目、そして3行目及び3列目を削除すれば24から成る2x2行列が抜き出せる。 こうやって1x1行列を抜く方法は4通り、2x2なら6通り、3x3なら4通り、 そして4x4はそのままなので1通りで計15通りある。 これについて全て逆行列を計算するのだが、クラーメル法を使う場合 その計算のほとんどは行列式の計算になり、そして2x2で行った行列式の計算は それを含む3x3の計算で流用できる。そうやって考えると全部列挙しても 高が知れているわけだ。クラーメル法の再帰性を利用する、 とある意味がやっとわかった。かくしてありうる解を全部列挙し、 そのうち条件を満たすもので一番サイズが小さい行列を採用する。 n番目のサイクルでは元行列のサイズは高々n行n列であり、しかも上限が4、 という問題の特徴がこの力業を可能にしている。

GJK祭が終わるまでそれ以外のことを考える気にならなそうなので 日記もそれ一色になると思われる。次の祭は未定。

「体を強くしよう」に対して「強い体になろう」が変だとは思えない。 が、「脚を強くしよう」に比べて「強い脚になろう」は変だ。 「オレは脚じゃねえ」という気分。 でも「オレは体じゃねえ」という気もしてきて、 だんだん「強い体になろう」も変なような気がしてきた。

2004年6月10日

物理なんて専門家が作ったものに勝てるわけもなく、 素人がやっても無駄になるだけなのだが、買うにしても 会社の中にその手のことをやったことがある人間がいないと 良し悪しがわからない。そういうわけで誰か一人くらいは その方面に明るい必要があるのだが、どうもそんなものに興味がある人間は 私だけらしい。みんなゲームを作りたい人ばかりで 道具を作りたい人なんて珍しいし、 まして物理なんてゲームに関係ないという意見が大勢を占めている。 とは言うもののでも今時無視するのもマズいよなあ、 ということで私が放置されているのではないかと見た。 まあ副産物で衝突判定とPVSとBSP、それに経路探索系の何かが ライブラリ化される予定なので完全に無駄でもないだろうが、 やっぱりそれも買った方が早いのである。 デカい会社なんだから自社でやるべきだという意見もあるが、 だったらその道で修士くらいは出た人間を複数引っぱってくるべきだろう。 でも私はやりたいことをやれているので文句は言わない。 ゲーム特有のことをやるよりははるかに将来のためになるだろう。

GJK。バリバリ連立方程式解いてるじゃねえか。内積の計算を なんぼキャッシュしたところでやっぱりそれは遅いだろ。 第三サイクルまでに収束できれば別だが、果たしてそううまく行くだろうか。 時間的連続性を加味することでどれだけ速くなるのかに全てがかかっている。 まあ、乗りかかった舟だし、なんといってもGJKはかっこいいの でとりあえずは実装してみる。

で、GJKの実装例であるSOLIDのソースを見てうなっていた。 連立方程式のあたりのコードが大変なことになっていて さっぱり何をやっているのかわからない。 SpringHeadの衝突判定もSolidを参考にしたということなので そっちも見てみたのだが、まんまパクッてあった。全然触った気配がない。 先達がいないとなると自力で理解するしかあるまい。 明日中にGJKで距離が測れるようにしたいものだが。丸写しは避けたい。

それにしても、Σa_i=1、a_i>=0を保ちつつΣa_i*v_i(aはスカラ、vはベクタ) の長さを最小化する問題って、それは凸二次計画法な気がする。 長さはΣΣa_i*a_j*dot(v_i,v_j)と表せるからだ。 にも関わらずバカ正直にLCPにせずなにか妙な工夫をしているのがたぶんミソなので、 そこをしっかり理解したい。内積をキャッシュするというアイディアが 事をややこしくしているので、そこを取っぱらえば生のアルゴリズムが はっきり見えてくるだろう。

2004年6月9日

一日中論文を漁っていた。なつかしいこの感覚。 情報学の論文なんてバイオの私には到底読めまいと思っていたが、 存外行ける。アフィン代数の基礎すら理解していないので多少辛いものはあるが、 しかしどうにかなりそうな気もする。ただ辛いのが論文本体が手に入りにくいことだ。 所詮ゲーム会社なので論文雑誌などを講読しているはずもなく、 違法にコピーした奴をWEBで探して落として読むことになる。 正規サイトからPDFのダウンロードは可能なのだが、学会員でないと 金がかかるのだ。ケチくさい話である。ちなみにIEEEは35ドルで3つまで。

で、今日のお題はGJKアルゴリズム。 凸立体同士の衝突判定を行うアルゴリズムだ。 恐ろしいことに凸ならなんでもいいのである。 球vs球とか、円柱vs円錐とか、箱vs円柱とか、 そういうのをいちいち書かなくても全部こいつ一つで行けるという夢のような アルゴリズムなのだ。ただしうまい話には裏がある。 こいつは反復解法であり、しかも有限回での収束が保証されない。 ただし凸多面体、つまり曲面がない物に関しては有限回で収束することが 保証されているのでさしあたり問題にはならない。 だいたい曲面を使ったものなんてのは球かカプセルくらいで そういうものは専用のアルゴリズムを使うのが普通だからである。 しかし、さしあたりGJKだけ書いておけば速度はともかく動くものができる、 というのは素晴らしいことだ。 さらに、当たっているかどうかだけでなく、当たっていない場合は 一番近い点の組まで教えてくれる。 加えて、これにもうちょっとの手間を追加するだけで めりこんでいる距離まで計算できるらしい。すごすぎる。 しかしそっちは多少不穏な匂いがするので過度の期待はしないようにしよう。 連立方程式を解く工程が必要らしく、 加えてその行列の成分全てに内積が入っているのである。 仮に書いてある通りに4元以下しかないとしても、 行列を作るだけで手間だし、4元の連立方程式はそう軽い処理ではない。 しかもそれをサイクルの数だけやるのである。 ましてそのサイクルを何回必要とするのかはわからない。 力技で計算することが事実上不可能なくらい複雑な形状ならいいだろうが、 箱vs箱くらいまでは自力でどうにかすべきだろう。

なお、箱vs箱に関しては分離軸法による解法が最速らしい。 二つの物体の間に平面を挟めるならその二つは当たっていない、 という考え方が分離軸法である。 平面の候補としてはそれぞれの面と、それぞれから辺を一つづつもってきて それに垂直になるように作った平面で(6+6+12*12)=156枚あるのだが、 直方体の場合は面の向きは二枚づつ3種類だし、辺も4本づつ同じで3種類なので (3+3+3*3)の15枚で行ける。運が良ければ最初の1枚で見つかるし、 実験によればほとんどの場合は最初の6枚のうちに見つかるそうである。

衝突判定は球が一番速い。当たり前のことだがこれは重要なことである。 そして、他のどんな図形も球の倍では済まない負荷がかかる。 できれば複数の球で近似できるならその方がいい。 とは言え、あまり長いものを球で近似するのはさすがに無理なので、 長さをもった何かが欲しくなる。 そこで円柱を導入する事になるのだが、 円柱は対称性に難があって円柱同士の判定が面倒くさいので、 両端に玉をくっつけてカプセルにする。 カプセル同士はそれほど面倒ではなく、球同士の10倍はかからない。 さて、できれば球とカプセルだけにしたいのだが、現実はそうはいかない。 平な面が必要になる局面は結構あって、例えば乗れる箱があるような場合がそれだ。 もっとも絶対に動かないのであれば それは静止体として全く違うしくみで衝突判定をするので ここでは無視していいのだが、 押せるんだよとか壊せるんだよと言われるともう打つ手がない。 そこでやむを得ず直方体を導入することになる。 直方体同士は上で述べたようにいい方法があるのだが、 実のところそれでもカプセル同士の数倍重い。 球8個とかでゴマかせるならそうしたくなるくらい重いが、 上に乗れるとか言われるとへこんでいるのがバレバレなのでそんな手は使えない。 さて、他に必要な図形はあるだろうか。まだある。単なる平面だ。 例えば自分で開けられるドアがあって、半開きになってるドアに 敵の弾が当たるんだよとか言われた時に必要になる。 箱をつぶせばそれでいいように思われるが、 現実には箱用処理において「どの辺も長さが0でない」ことを前提に書いてしまう ことになるのでそうは行かないし、やはり専用に書いた方が速い。 現実問題長方形があれば事足りるので、板は全て長方形にすることにしよう。 三角形を二枚置くという手もあるが、むろん長方形一枚の方が速い。 かくして必要な関数は、球vs球、球vsカプセル、球vs箱、球vs板、 カプセルvsカプセル、カプセルvs箱、カプセルvs板、 箱vs箱、箱vs板、板vs板、で10種類となる。 動かない物体との衝突判定用に三角形も足さねばならないので、 これら4種と三角形の判定も入れると14種類となる。 一応そのほとんどに関してはすでに作ってあるのだが、 かなり前に作ったので本当に大丈夫か不安だ。 他人が作ったものをパクッてくればいいのだが、 それはそれで面倒だし、パクると何も成長しないので損した気になる。

ところで、恐ろしいことにGJKアルゴリズムは上の全てに適用可能だ。 例外なく遅くなるが、現実問題そんなにムチャクチャ遅くは ならないし、コードの量が減るからバグも出にくい。後で速度が必要になったら そこだけどうにかしたらいい。 それに、物理シミュレーションの関係で各関数にめりこみ距離計算機能を足さないと いけなくなったのでどうせ全部手を入れねばならなかったのである。 簡単に計算できるのは球同士くらいで後はそれなりに面倒である。 GJKベースのめりこみ距離計算が本当にできるなら全部一発で行けるのでさしあたり 前作ったものは捨てよう。 不安な関数を使い続けるよりは一回捨てて安心し、 後でじわじわ置き換えた方がいい。

ペナルティ法の問題点がまた見つかった。 一番めりこんだ点にバネを適用して押し戻すと振動する。 棒を床の上に落とすと、まず棒の片方がめりこんで、 これが力を受けて回転し、次は逆の端がめりこんで力を受けて回転し、 というのを繰り返すのだ。つまり箱を床の上に静止させられないのである。 SpringHeadの論文に書かれていた通りだ。 とは言え市販のエンジンではSpringHeadの論文にあるような振動 はしないのだから、何かしらの手は打っているのだろう。たぶん角度が一定以内なら 面で当たっているものとして回転を殺す、とかいうようなインチキだとは思うが、 まあそれは後だ。

めりこみ部分の重心が求められたら、そこに力をかけることで うまく行きそうな気がする。 例えば先の棒と床の例であれば、めりこみ部分の重心は端よりはいくらか内部に 来るだろう。その結果トルクが弱まって次の回転がいくらかゆるやかになる。 そして回転がゆるやかになればさらに衝突時の角度が浅くなって さらに重心が内部に移る。そのうち真ん中に来て止まるだろう。 凸多面体同士の共通部分は凸多面体で、凸多面体の重心を求めるアルゴリズムは すでに知られている。これを一般の凸立体に拡張できないか。

2004年6月8日

会社の人にfateを貸したらそれなりに面白がっていた。 全然ギャルゲー経験がなく、萌えを解さない人でもあれは大丈夫らしい。 で、その人が調子に乗って「他に流行りのものは?」と聞くから clannadと答えたのだが、案の定こっちは相当苦しんでいるらしい。 「そんな奴いねえ!」と叫ぶのを繰り返すうちに体力を消耗するのだろう。 常識的に考えて萌え文化に慣れている人間でなければ到底耐えられないと思う。

アホが旭川でがんばっている。心の支えにしているものが少々気にはなるが。 それにしても私の職場はぬるい。勉強しているだけで金がもらえるのである。 ましてアメリカにまで行かせてくれる。 しかし私はそれに報いるだけの金を稼げるのか。

衝突時のめりこみ処理は皆悩む問題らしい。 私はもうペナルティ法で統一的に処理することにしたので ゲーム固有のとんちをひねり出す作業はやめた。 しかし、何分実機で動かしていないので本当にこれで行けるかは まだまだわからない。一体いつになったら実機で動かせるようになるのだろう。

ペナルティ法の問題点。 反発力はめりこみ距離にのみ比例して質量を考慮しないため、 あまり重いものが来ると反射しきれない恐れがある。 片方が軽ければはじかれるからいいのだが、 重い物同士が来るとかなり深刻だ。 では質量を考慮すればいいではないかと思われるかもしれないが、 二体の質量をいかにして反映させるべきかは難しい問題である。 そもそも動かない物体は質量を無限大として扱うわけだが、 これを反映させると力が無限大になってブッ飛ぶことになる。 上限を設けつつ両方の平均をいい感じに作用させるなどの インチキ臭い手もあるにはあるが、所詮インチキなので いろいろな面倒が発生することは疑いない。 結局のところ、時間間隔を短くするのが一番早いことがわかる。 時間間隔を短くすればそれだけ強い力をかけることができ、 結果重いものでも反射できるようになるからだ。 なお、こういった問題は解析解法においては一切起こらない。 その点非常にそそられるのだが、現実の実装例において 衝突が重なると凄まじい勢いで性能が落ちるのを見てしまうと どうにも辛いものがある。

眠すぎるので寝る。鍛練は朝にしよう。食って1時間しか経ってないから 太りそうで恐いが、この際仕方ない。

2004年6月7日

うたた寝で夢を見た。 あまりに進化がないまま時間ばかりが過ぎ、 やる気がないならやめちまえと言われる夢。 自分の不安がダイレクトに投影されている。 そして覚めた後ふとある事を確認して辛くなった。 昔から高度なものを求めて本を買って読んだりしていたが、 本当に理解できたことなど皆無だったのである。 それらの知識を理解して使いこなしている人々の列に 並ぶ日など来ないのではないだろうか。 しかしそういった不安を拭い去る方法を私は努力以外に知らない。 いきなり謎の悟りが訪れて「全て良し」などと言うことにはならないのである。 シッダールタすら数十年の歳月を必要としたのだから。

和風wizardry純情派、終わり。 これだけキャラがいて、しかもいつ死ぬかが作者にもわかならないという ものすごいコンセプトで、それでもこのように綺麗にまとめられるのは すごいと思う。随所に現れる教養の深さも素晴らしい。相当物知りなのだろうなあ。 思えば半分以上会社で読んでいた気がする。漫画雑誌を立ち読みしなくなり、 テレビも見なくなった私が、こうして現在進行中の作品を追いかけることになるとは 自分でも驚きだ。ありがとうございました。

内井惣七「科学哲学入門」中。こういう本は理系が読まないといけない気がする。 京大にいるならこの人の授業を受けに行け。 科学的方法と言うのは一体なんなのか。仮説とか実験とか統計とか説明とか、 そういったものについて一回考え直すいい機会になる。 しかし、科学的方法というものを理解している人はこんなものを読まなくても きちんと実践できるものだし、 そもそも科学的方法を理解していない人はこういう本を読んでも得るものがないだろう。 だいたいわかっているつもりだが微妙に自信がなかったり 息詰まりを感じている人向けだ。 なお、その他蘊蓄に関しても面白く、コペルニクスの地動説は当初 天動説ベースの理論と大差ない計算精度と予測性しか持たず、 実用的な利点はほとんどなかった、というのは驚きだった。 ケプラーが楕円軌道を導入して初めて地動説は説明モデルとして優位に立ったと いうのである。また、メンデルの法則における3:1という予測が 実際の実験データに照らしていかに正当化されるか、 という問題もよく考えてみればそう単純な話ではなく興味深い。 我々が無意識で当たり前と思っていることを捨てて考えてみると、 驚くほどいろんなことが不確定になるのである。 その認識なしでは偉大な発見をした科学者がいかに偉大であったかを 感じることはできない。

メシ成功。やはり大量に作るほどおいしくなる。ところで今回はせっかくだからと 大豆のかわりに大正金時を使ってみたのだが、 やはり味がない粉っぽい物になってしまっている。 赤飯の中の小豆と同じなのだが、何分大量に入っているので目立つのである。 すっかり味を周囲に放出して抜け殻になっている。 この豆は蒸してサラダにするとおいしいのだが、煮てしまうのは良くないらしい。

clannadおまけ要素回収中。 草野球編。楽しかった。それはもう楽しかった。 加えて春原バッド。あからさまに冗談で入っているのでただ単純に笑った。 さらに智代シナリオにおける春原変形イベント回収。やっぱギャグおもろいよこれ。 あとは有紀寧シナリオにおけるおまじないのバリエーションを回収する予定。 さらに智代シナリオに風子が乱入するらしいのでそれも見なければ。

clannadはあったかい。同時に切ない。 楽しければ楽しいだけ、時間が過ぎ去っていくことの切なさが強くなる。 だがまだ私は過去に生きるには若すぎる。そうであるはずだ。 そうでなければならないと思いつつも、これほどに切なさを感じるのは もう最大の祭が過ぎ去ってしまったことを認めずにはおけないからだろう。 結婚するくらいのことをしなければもう新たな祭はないのだろうか。 そんなことがあっていいはずがない。

悲しい話であるほど、切ない話であるほど良い物語と言われる。 しかし何故わざわざフィクションで辛い思いをしたがるのだろう。 悲しい話を見て泣くことがそんなに楽しいか。 そういう物語は記憶に残りやすく、記憶に残ることは 一時のネタよりも価値があることだと言うが、それは何故なのか。 人はフィクションで辛い思いをすることを何故、 そしてどのように喜んでいるのだろうか。 これは考えるに値する問題だと思う。

前蹴り100回くらいでグロッキー。しかしこれはいい。

アメリカ出張決定。8月。シーグラフとかいうコンピュータ科学系の学会 イベント。そんなもんに私が行っていいのかと思うが、 「最新っぽい雰囲気に触れてやる気を持ち帰ってくれればそれでいい」 ということ。それに何十万も払うとは気前がいいというかなんというか。 とりあえず事前にめぼしい論文を読んでおかねば。 今日ちょっと見たところでは、 ポリゴンメッシュから展開図を作る研究だとか、 宝石の屈折をシミュレートしてリアルな輝きを再現する研究だとか、 そんな変なのばっかりだった。

2004年6月6日

ヘッセ「シッダールタ」。 悟りに至る道はこれだ、と思ってがんばってみるが、 いずれは悟りとは程遠い場所に来てしまったことに気付き、別の道を探す。 そのくり返しの中で主人公は多くのことを学んでいく。 女や金に溺れるところまで堕ちたりもするのが衝撃的だった。 特に印象的だったのは、子供をより良く導こうとするがうまく行かずついには 逃げられてしまったシーンだ。師たる老人に 誰も他人の失敗を先回りすることはできず、 自らが学ばねばならないのだと言われ、彼もまたバラモンとして生きよという 父の導きを拒んで二度と帰らなかったということを思い出すのである。

一箇月に3kg痩せるというのは、毎日100gづつ痩せるということだ。 100gは700kcalに相当する。それだけ毎日不足させなければならないのである。 しかし、考えてみれば最近は多く見積っても2000kcal以上食っているとは 思えない。にも関わらず一日の推定消費エネルギーは2500kcalを超えている。 案外そのペースで減らせるかもしれない。 そしてもし6月中に脂肪が3kg減るのであれば、もはやそれ以上は必要ないレベル にまで体脂肪が落ちることを意味する。 ところでさっきフロ上がりに測ったら13.1%だったのだが、これもウソだろう。 あるいは、下半身はそれくらいなのかもしれない。

今日は弟と新宿をうろついた。目当ては扇風機と冷蔵庫だが、 やはり冷蔵庫がおもしろい。年間の消費電力が150kwhのものまで登場している。 1995年にはこれが700kwhあたりだったらしい。 もうこれ以上減ったところで電気代に与える影響など微々たるものだろう。 年4000円が2000円になったところでどうなるものでもない。 無駄によくわからない機能がたくさんついているのもそそる。 引越す時にはなんか偉そうな奴を買おう。そのためにも給料を上げねばな。 ところで、弟が ダイソンの掃除機を見て「初号機だ」と言っていて、 なるほどと思った。 なお、ダイソンのサイトは不必要におもしろいのでおすすめである。 ダイソンストーリーにしろ技術説明にしろとにかく力一杯だ。 誰か買っていじらせてくれ。

劇場版Airサイト。 何もないがとりあえずトップ絵だけで期待が高まる。 次の瞬間にファイティングポーズを取りそうで。 いや、そういうネタ性を割り引いても妙にかっこいい。 いつかはわかりませんが、一緒に見に行ってくれる方募集。

今時のゲームを語るならネットゲーは避けて通れないのだろうな。 しかし何をどう考えても面倒くさい。

すでに数回に渡って安定した結果が得られているメシ炊きだが、 今日はスケールアップと組成の変更を行ってみることにした。 本来同時に複数のパラメータを変化させるのは科学の方法として誤りなのだが、 面倒くさいので一気にやる。 米4号、豆1号、こんぶ推定100g、しいたけ10個というのが 以前までのバランスだったのを、 米5号、豆2号、こんぶ推定200g、しいたけ20個にしてみる。 おかず度を高めて「メシだけ食ってる感」を軽減するのが目的だ。 タンパク質補充を強化したいのもある。 しいたけとこんぶが過剰にゴージャスだが、 これでもコストは1200円程度である。おそらく500mlタッパー12個分くらいは できるのでおよそ二週間分に当たる。

2004年6月5日

会社宴会。新人気合入ってんなあ。

XBOX期待の星だったトゥルーファンタジーライブオンラインが発売中止。 MSが日本市場を切り捨てたことの表れだろうか。 XBOXは日本ではすでに終わったハードウェアだが、 北米や欧州ではそれなりなシェアを持ち、加えて今もなお伸びている。 日本なんて相手にする必要は全然ないだろう。

日本のゲーム市場はすでに欧米よりもかなり小さく、しかも縮小傾向だ。 そして向こうのゲームは映画やスポーツなどと密接に結びついて 巨大な資本を投入してくる。 見る映画の大半がハリウッド映画、という状態と同じく やるゲームの大半が洋ゲーという時代が来るのだろうか。 そして日本のゲームは一部のオタクしか顧みないような状況になるのだろうか。 ギャルゲーをやっているような一部のオタクを除外すれば、 それはかなりあり得るシナリオであるような気がしてならない。

ゲーセンのゲーム機が家庭用よりもスペック的に上であったのは すでに過去の話だ。ゲーセン基盤の最高級のものでも たかだかXBOXに毛が生えた程度のものであり、最新のPCに比べれば カスのような代物なのである。 そのような状況下においてゲーセンに行くのは対戦をするためなのだろうが、 しかしそれもフレーム単位でしのぎを削るようなゲームでない限り自宅で可能であり、 ゲーセンに行って3分で100円取られるよりはネットカフェの方がマシ という状況すら生まれている。 私はおそらく何があってもゲーセンには行かない人間なので 何があったらゲーセンに人が来るか、などということはさっぱり考えられない。

昔はよくゲームをしたが、今はしていない。何故だ。 そう考えてみれば、結局周りもやっていないから、という結論になる。 周りがみんなやってその話ばかりしていれば私だってやろうという気になるだろう。 きっとこれは私だけではない。それで疑問なのだが、 今の小学生あるいは中学生は一体何をして遊んでいるのだろうか。 空いた時間を何に費しているのだろうか。友達と会話をするにしても、 その話題は一体何なのだろうか。そういうことを私は全く知らない。

2004年6月4日

今日のお題は反射定数の反映。 衝突の瞬間にバネをはさむことで反射そのものは可能だが、 はね返り定数の値を反映するには反射後の速度が元より遅くないといけない。 しかしただバネをはさむだけではエネルギーが減らないので、 ついでに減衰項を入れておくのである。 それに成功したら次は摩擦。これが厄介なのだ。 点接触とみなせるなら簡単だが、面接触の場合にはうまいことその中心 の一点で近似しないといけない。面にわたって積分する手もあるが、 円柱やら球やらが混ざってくると無理だ。 全部多面体であることの利点はそこなのだが、多面体は 衝突判定が非常に面倒なのである。 しかしもしかしたらものすごく簡単になるのかもしれない。 実際SpringHeadというエンジンでは全部多面体を採用しているからだ。 いずれにせよ、ゲームにも直方体くらいは必要なので 凸多面体衝突判定を書くことにはなるだろう。近い将来に。

来るメールの大半がゴミ。もはやアドレスを変えるしか手はないのだろうが、 それはそれで困る。

隣に座っている後輩はしばしば想像を絶した質問をしてくる。 論理的な思考に慣れていないのか、論理的な思考以上にイメージによる 思考速度が速いのか、とにかく彼の思考は いつも突飛だ。私とて完全に理詰めで動いているわけではないが、 彼を見ていると自分はずいぶんと論理的な人間なのだなあと少しがっかりする。

どんなに間違った論理も本人の頭の中では正当な説得力を持っている。 だから自力で間違いに気付くのは大変なことなのだ。 であれば、その間違いに気づいた後には それまで自分の頭を占めていた不思議論理がどういうものだったのかを しっかりと理解することが大切だろう。 そういうわけで、彼が間違った事やおかしい事を言ってきた時には いつも「自分がなんでそういう考えに陥って、 なんでそれが自然に思えたのか説明してみろ」と言葉責めをするようにしている。 もちろん豪快に恥しい間違いだったりもするので 「間違ってたのがわかったんでもういいですよ」となることが大半なわけだが、 アホなことを言えば責められる、ということを体に覚えこませるのは悪くない。 それにしても彼のおかげで自分でも忘れがちで徹底できていないことを 常に思い出せるのでありがたいという側面もある。

2004年6月3日

13.9%。フロ直後なので信頼がおけないとは言え低い。 前の機械よりも2%くらい低く出ることを考えてもなお低い。 やっと筋肉量レベルが0になった。 あの機能は深い意味はわからないが励みになるのでとてもいい。 要するに私が乗せられやすいだけなのだが、 脇腹のポコンと出たものが目に見えて減ってきたのは確かなのであって、 その意味では得な性格と言える。

平方根の計算方法をずっと考えていた時期があった。 なんで電卓が平方根を計算できるのかが不思議で仕方なかったのである。 あのままの路線で育てば今こんなに苦労をしていなかっただろうに。 いつのことだったかは思い出せないが、家の風景が千葉なので 小3から中3の間だが、まあ中学生1年かそこらだろう。 当時の結論は今知っている用語で言えば二分検索ベースの反復法だった気がする。 10の平方根は10よりは小さいだろうから、 とりあえず半分の5から始める。で5を二乗すると25で行きすぎるので じゃあ2.5。こいつを二乗すると6.25で足りないので今度は2.5と5の中間。 というふうにやればそのうちそれなりに近くなる。 むろん今やるならニュートンラフソン法以外はありえないのだが、 もしそれを知らないまま実装を迫られたとしたらきっと 二分検索で実装していただろう。 ニュートンラフソン法を自力で思いつけるとは到底思えない。 当時厳密解が得られないことをえらく気持ち悪く思っていた気がするが、 そんな高度な気持ち悪さをガキの頃の私が感じていたかどうかは疑わしい。 過去は美化されがちだからである。

ニュートンラフソン法の例。 aの平方根を求めたいとする。 それは要するに、f(x) = x*x-a = 0という二次方程式を解けばいいことだ。 すでにそもそもそう変形できる段階で賢いと思う。 x*x-aのグラフを書くと、y軸に中心があるいつもの二次関数グラフになる。 y=0との交点のうち正のものが今問題にしている解になる。 まずさっきのを二分検索と同様に適当な値から始めるとする。 先の例と同様にa=10として、x=5から始めよう。 x=5においてのf(x)の値は25-10=15である。つまり、 f(x)のグラフ上のx=5の点は(5,15)だ。 ここでグラフに接線を引いて、x軸との交点を求めてみよう。 この点における接線は、f(x)を微分して5を代入すればいいから、 2xにx=5を入れて10となる。傾きが10の直線だから、15下るためには xから15/10=1.5を引けば良く、この交点は(3.5, 0)となる。 真の値は3.3ちょいなのですでにして相当近い。 もう一回やってみよう。3.5*3.5-10=2.25なので、グラフ上の点は (3.5, 2.25)となる。ここにおける傾きは7だ。2.25/7=0.3214なので、 xから0.3214を引くと、3.1786になる。真の値は3.162277...なので、 もうほとんど一致している。もう一回やれば実用上は十分だろう。 収束の速度が段違いである。 実際計算機はこのやり方で求めているらしいが、 最初の値の求め方をもっと工夫することでさらに速度を上げている。 買ってきた本に書いてあるやり方はこれまた素晴らしく賢い。

sinやcosのような三角関数や、指数関数や対数関数の計算にも こういう英知が詰まっている。いまさら自力でこれらを書くことも そうないはずだが、一応しっかり勉強しておきたい。 連分数形式で近似式を作ると驚くほど精度のいい式ができるのだ。 テイラー展開形を入力として与えると各々の次数で 最良の式を作ってくれるようなプログラムがあればなにかと便利だろう。 たぶんそこらへんに転がっているので作る必要はないのだろうが。

そういえばガキの頃に円の面積の公式をあみだしたとか 言って大騒ぎしたこともあったが、 あれは何故か半径に対して一次だった。 特定の大きさでしか検算していなかったのだろう。 何故誰もその間違いを指摘してくれなかったのだろうか。 一言「倍の大きさで確かめてみな」と言ってくれればどんなにか 勉強になったことだろうに。 結局誰に言っても無視されて、そのうち自分でも忘れてしまった。

なわとびで片足跳び。30回もやると足がつりそうになる。これだ。 さしあたりの目標として50回づつできるようになろう。

2004年6月2日

テンプレート化してカスタマイズ可能でありつつコードも少ない ライブラリを作ろうとしているが、なかなかにややこしい。 各種機能をテンプレート引数で指定するというのは STLコンテナのアロケータみたいなものをもっと拡張するだけのことで 考え方としてむつかしいわけではないのだが、 例えばあるクラスAの機能を利用しているクラスBがある状態で Aをテンプレート化してユーザに実体化をまかせるようにしてしまうと Bもテンプレート化するか、Aに非テンプレート化基底クラスを作って そのポインタから仮想関数アクセスするかしかなくなって多少面倒になる。 実際には衝突判定クラスと剛体シミュレータクラスがそういう関係に陥った。 剛体シミュレータクラスは衝突判定がどんな実装だろうと知ったことではないので、 衝突判定クラスをテンプレート引数に取るようなマネは慎まねばならず、 仮想関数アクセスが論理的に唯一の解となる。 ユーザ側で剛体シミュレータに衝突判定クラスの基底クラスのポインタを 与えてやることになるのだろう。

ところで、モダンなんとか(会社におきっぱなしで書名忘れた) という本にテンプレートのゴツい使い方が書いてあるのだが、 やりすぎだと思う。もはや人に読めるコードとは思えない。 しかしあれをやることで設計がきれいになるなら 喜んでやるだろう。二重ディスパッチ作成器はちょっとそそる。 前の時は球だろうが円柱だろうが箱だろうが同じ型に情報をunionで ブチこんで形状番号を持たせていたので単なる関数テーブルで済んだのだが、 今回はなんとなくやってみたくなったので形状の抽象基底を設けている。 これを仮想関数なしでやるには抽象基底に形状IDを持たせて、 それを見て強制的に派生型にキャストするしかない。 間違いなく最速だし、所詮ゲームなのでそれで困ることもたぶんないのだが、 しかしなんとなく気がひける。 かといって、dynamic_castを使ったelse ifで回すのはなんぼなんでも嫌なので、 結局無駄に一回関数を通して仮想関数アクセス二回で真の関数に 到達するあの方法を使うのが一番素直であるように思える。 しかし仮想関数アクセスはインライン化できず、 そんなものを二回も通したら20クロックくらい遅くなってしまいそうな気もして やはりこれも最良とは言い難い。

ヘッセ「シッダールタ」開始。今回は少しノリが違うように感じられるが、 これは訳文が仏教用語まみれだからだろうか。 ドイツ語の中にサンスクリット語がアルファベットで書かれているのは、 日本語にカタカナが混ざっているようなものであって、 日本語の中に仏教用語が漢字で書いてあるのとは違う気がする。 向こうの感覚はわからないが。 ところで、やはり親子の情とか、自分の道とか、親友とか、 そういうヘッセ要素は最初からちゃんと出てきていて やはりヘッセなのだなと安心できる。

contrexがおいしく感じられるようになってきた。 何故か秋葉のあきばおーで安売りしていたので箱で買ってこよう。

2004年6月1日

できない人はわからない時に思い出そうとする傾向がある。最近気づいた。 ところで、そういう問題以前に、 「普通の人なんてこんなもんです。あんたらが優秀なんですよ」 などと笑顔で言われたら一体どうすればいいのだろう。 もし仮に我々皆が優秀なのだとすれば、優秀でない人間は普通でなく劣等 であることになる。 問題は世界の平均値ではなくて今ここにいる人間の平均だと言うのに。

宮谷一彦「肉弾時代」。すげえ。衝撃的なコマ割りと構図がすごい。 執念すら感じる強烈な絵がすごい。痺れるほどに研ぎ澄まされたセリフがすごい。 そもそも題名からして並外れたインパクトである。 台詞を一部紹介したいところだが、会社で読んだので今ここにはないのだ。 是非読んでほしい。これに近い種類の衝撃を受けたものとしてシグルイ があるが、あれはまだエンターテインメントとして成立しており、 とがり具合においてはまだこれには及ばない。

猿長電話。私の結論は「何事も気合」。


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